2019年4月3日水曜日

これを防ぐために、歯周病の治療は歯垢(プラーク)・歯石の除去、そして歯みがきです

「歯がグラグラする」「歯磨きで出血する」「歯ぐきが腫れている」「口臭がある」「何となく不快感がある」などこういった「あんまり痛くはないんだけど」という症状で悩んでいる方はいませんか?

これらは歯周病の症状の可能性があります。そして自覚症状がある歯周病は、すでにある程度進行しています。そのぐらい自覚症状に乏しいため、日本の成人の約80%が歯周病にかかっていると言われています。歯周病とは、「歯周炎」とも呼ばれ、名前の通り「歯」の「周り」の炎症です。では歯の周りに何があるかというと、歯肉(歯ぐき)と顎骨です。炎症が歯肉に留まっているうちはまだ可逆的な状態であり、歯肉炎と言ったりもしますが、顎骨まで炎症が及んでしまうと、骨が吸収してきてしまい、歯がグラグラしてくるのです。そして骨は簡単には再生せず、そのままではどんどん吸収してしまい、やがて歯は抜かざるを得なくなってしまいます。これが歯周病の末路です。

これを防ぐために、歯周病の治療は歯垢(プラーク)・歯石の除去、そして歯みがきです。それだけ?と思われるかもしれませんが、逆にそれだけで悪化を防げるのです。しかし、重度の歯周病の患者さんは外科的な治療が必要だったり、やむを得ず抜歯になってしまったところの治療が必要になることもあります。そのため早期発見、早期治療が何よりも大切であり、また自覚症状に乏しいことからも、当院では治療終了後も定期的なメンテナンスをお勧めしております。

歯周病の予防を習慣づける
歯垢が固くなって歯石の状態になると、歯磨きではなかなか除去できません。また歯石があると、その上に歯垢が付きやすくなります。すでに歯石がある場合は、まず歯科で歯石除去をしてもらったほうが、歯磨きの効率もよくなります。
毎日歯磨きをしていても、磨き残しがあると少しずつ歯石ができてしまいます。また、歯
並びが悪かったり、体質的なものから歯石のできやすい人もいます。できれば年に12回は歯科を受診し、歯周病の検査も兼ねて歯石除去をしてもらうことも大切です。
歯肉のマッサージも、歯周病の予防には効果があります。歯周病を起こしている歯肉は、ほかの部分よりも血液の流れが悪くなっています。マッサージによって血流が改善されると、歯肉が盛り上がって歯周ポケットは小さくなり、それだけ歯周病菌がはびこりにくくなります。やわらかめの歯ブラシでも歯肉のマッサージはできますが、強く当てると歯肉を傷めることもあります。出血しやすい人は、マッサージ用歯ブラシもあるので、歯科や薬局で相談してください。

歯周病は、歯をささえる歯肉やその周辺組織が炎症を起こし、悪化すると歯槽骨が溶け、歯を失うことにもなる病気です

日本人にもっとも多い病気、それは歯周病かもしれません。
厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によると、歯周病は2534歳の若い世代ですでに約80%4554歳の中年層では88%もの人にその兆候がみられます。これほど歯周病の人が多いのに、それがどんな病気なのかはあまり知られていません。これは歯周病が初期には痛みもなく、歯肉(歯茎)がちょっとはれたり、歯磨きのときに少し出血する程度なので、そのまま放置している人がほとんどだからでしょう。
歯周病は、歯をささえる歯肉やその周辺組織が炎症を起こし、悪化すると歯槽骨が溶け、歯を失うことにもなる病気です。その原因となるのが、しこう歯垢(プラーク)です。歯垢というと、食べカスのことだと思っている人が多いのですが、実は歯周病菌という細菌のかたまりなのです(*1)。歯垢がたまると、歯周病菌の酵素や毒素によってまず歯肉が炎症を起こします(歯肉炎の段階)。次いで歯と歯肉のすきま(歯周ポケット)に歯周病菌が増殖し、炎症が歯根膜や歯槽骨にまで及びます(歯周炎の段階)。この状態を放っておくと、歯がぐらつき、やがて抜け落ちてしまいます。
歯周病がまねく全身の疾患
歯周病が、ほかの病気とも関連があることは、以前から知られていました。たとえば糖尿病やリウマチになると、細菌に対する免疫力が低下するため、歯周病が悪化します。
その反対に最近になって、歯周病になると、心臓病をはじめ呼吸器疾患、糖尿病などになりやすいこともわかってきました。

とくに心臓病は、歯周病と密接な関係があります(*2)。
歯周病菌は歯肉から血管をとおって心臓にも移動し、血管壁に炎症を起こします。すると炎症部分が動脈硬化を起こし、狭心症や心筋梗塞の引き金となるのです。動脈硬化の部分からは、肺炎クラミジアなどと並んで、歯周病菌が数多く発見されます(肺炎クラミジアは肺炎などを起こす原因菌のひとつです)。
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また呼吸器疾患については、歯周病菌をふくむ唾液が気管支から肺に入ると、肺炎を引き起こすことがあります。高齢者の場合は、唾液の誤飲をしやすいため、とくに注意が必要とされます。
糖尿病については、歯周病菌に対する免疫反応から生じるサイトカイン(生理活性物質)が、インスリンの働きをさまたげることがわかってきました。歯周病があると糖尿病のリスクが高まるだけでなく、治療のときも血糖値のコントロールがむずかしくなります。
歯周病菌だけがこうした病気の原因ではありませんが、要因のひとつであることがはっきりしてきたのです


2019年4月2日火曜日

現状では20歳でたったの4%しか、全て健全な歯を維持している人はいません

虫歯を削ってつめるのではなく、むし歯ができない・歯周病が発症・進行しない環境をつくるための処置です。
現在日本の歯科では歯が痛くなってから来院する人が大半ですが、それでは遅いのです。『痛い→削る→つめる』の治療では、つめ物とご自身の歯の隙間から2次的なむし歯ができやすくなります。歯周病が重度になってしまうと虫歯になっていない健康な歯を抜かなければいけないこともあります。
現状では20歳でたったの4%しか、全て健全な歯を維持している人はいません。そして疫学調査によると、歯周病に罹患している人が増加しています。80歳で全く歯がない総入れ歯の人は60%(2人に1人)です。定期的に歯科医院でクリーニングをし、お口の健康を管理することで、むし歯と歯周病になるリスクを減らします。

日本人の寿命はご存じのように世界一ですが、歯の寿命では先進国の中で最下位なんです。日本では、歯科医師数は増えて過剰時代と言われているのに1人平均の健康な歯の数は減っているという奇妙な現象がおきています。初期の虫歯もすぐ削って詰める。その後も再発、再治療。使う材料が違うだけで根本的には100年前と同じ治療が繰り返されているんです。スウェーデンでは削って詰める治療から予防中心のシステムに変えてから急激に虫歯の本数が減りました。

PMTC
PMTCは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略。日本語に直すと「専門的機械的歯面清掃」です。つまりPMTCとは、歯面清掃のプロフェッショナルが専門的な器具を使って歯の側面を磨くことです。当院ではメンテナンスのプロフェッショナルである歯科衛生士が、お口の中を丁寧にクリーニングします。PMTCに使われる器具は、ゴム製など柔らかい物ばかりです。決して痛くなく、むしろ気持ちよいくらいです。普段の歯磨きでの磨き残しや、歯磨きしても落ちない汚れもきれいに落とします。
フッ素塗布
フッ素には、歯を保護してむし歯になりにくくする効果があります。最近はフッ素を配合した歯磨き剤やうがい薬もたくさん市販されていますので、お使いの方も多いのではないでしょうか。歯科医院でのフッ素塗布は何が違うのかと言えば、フッ素の濃度です。市販品よりも濃度が高いフッ素を使い、メンテナンスの際に歯の表面に丁寧に塗布しています。

歯ブラシの毛先が歯に触れたり、歯に風が当たるだけで歯がしみたり、痛くなる。

正式には象牙質知覚過敏症といいます。特に虫歯になっているわけではないのに、冷たい水を飲んだときに「ピリッ」とくる痛みですが、日本人の4人に1人は知覚過敏を経験しているとされております。他にもブラッシング、甘いもの、果物などで痛むことがあります。
知覚過敏
症状
主な症状として
・冷たい食べ物や飲み物で歯がしみて痛みを感じる事がある。
・歯ブラシの毛先が歯に触れたり、歯に風が当たるだけで歯がしみたり、痛くなる。

また初期のうちは冷たい物にだけ反応しますが、症状が進むと温かいものにも反応することがあります。
原因
知覚過敏は歯の表面のエナメル質が削られ、その下の象牙質がむき出しになってしまうことによっておこります。
象牙質には神経につながる象牙細管と呼ばれる無数の穴が開いていて、この穴を通して受けた刺激が神経に伝わり痛みを引き起こします。

象牙質の露出の原因として以下の一例をあげます。
違った歯磨きの仕方
力を入れてゴシゴシとこすり過ぎたりすると、歯肉が傷ついて象牙質がむき出しになりやすくなります。また、歯を磨くたび出血している人は要注意です。
加齢による歯茎の後退
歯茎の後退は、年齢を重なることによって引き起こされ、知覚過敏を招いてしまう可能性があります。

歯周病による歯茎の後退
歯周病が進行し歯茎が後退すると、象牙質が露出してしまい、知覚過敏が起きやすくなります。

歯ぎしりによって歯が削れる
歯ぎしりによって歯が削れて、知覚過敏を引き起こします。
歯ぎしりは疲労やストレスの蓄積が原因であると言われています。

ホワイトニングの薬剤
ホワイトニングの薬剤は、歯の細かいヒビから象牙質へと伝わり象牙細管の穴に入り込み、しみる症状を招きます。治療期間が終われば症状は改善されていきます。
虫歯
虫歯によって歯に穴が開いてしまうと、象牙質が露出し知覚過敏を招きます。虫歯が原因で知覚過敏になった場合、しみるというより痛みが先行して継続的な痛みをもたらします。

2019年4月1日月曜日

また、虫歯や歯周病の早期発見は、治療中の痛みの軽減につながります。

「虫歯や歯周病がなければ、歯医者さんに行く必要はない」と思っていませんか?確かに歯医者さんは歯を治療するところですが、最近では考え方が少し変わってきているようです。虫歯や歯周病を防ぐための予防歯科を受けるために歯医者さんに行く方が増えています。

大切な歯を虫歯や歯周病から守る「予防歯科」
予防歯科とは、虫歯や歯周病を予防することを目的とした歯科診療です。定期的に予防歯科を受けることで、お口の中の環境をベストな状態に保ち、虫歯や歯周病などのトラブルを未然に防ぎます。また、虫歯や歯周病の早期発見は、治療中の痛みの軽減につながります。

【スケーリング】毎日のお手入れでは落とし切れない汚れを除去
歯の表面に付着した汚れや歯石は、毎日歯磨きをしていても落とし切れません。かえって自分で取り除こうとすると、歯や歯肉を痛めるだけ。こうした汚れをきれいに除去してくれるのがスケーリングです。ただし、スケーリングの効果は持続性がありません。時間が経てば汚れが再び付着しますので、定期的に受けることをおすすめします。
PMTC】プロによる本格的な歯のクリーニング
●施術中の痛みがありません
●歯茎が引き締まり、歯周病予防になる

PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)とは、歯医者さんで行う本格的な歯のクリーニングです。専用器具を使って、歯の表面に付着している汚れや食べカスをていねいに取り除いていきます。施術後は歯茎が引き締まり、歯周病を予防してくれます。また、口臭予防の効果もありますので、エステ感覚で定期的に利用される患者さまも多数いらっしゃいます。
審美的効果も期待できる予防歯科でのクリーニング
予防歯科の一環で、歯石の除去、歯のクリーニングを行います。これにより、歯の着色汚れが除去され、歯本来の白さを取り戻すことができます。また、予防として、定期的にクリーニングに通院していただければ、虫歯、歯周病を予防するとともに、常にきれいな歯の状態を保つことができます。

また、当院では歯を白くする、美しくする方法として、審美歯科、ホワイトニングなどの取り組みも行っております。予防歯科で本来の歯の白さを取り戻し、さらに白く、きれいな歯にしたい!と思った場合は、こちらもご相談を受け付けております。

年を取ったら歯は悪くなって当たり前?

「歯がグラグラする」「歯ぐきが23日前から急に腫れて痛くなってきた」「歯ブラシをしたときに歯ぐきから血が出る」「歯がグラグラして、前歯にすき間が空いてしまった」「口臭がある」
このようにおっしゃる方がたくさんいます。このような主訴で来院された方の大半が歯周病です。歯周病は一般的にはあまり知られてないですが、非常に恐ろしい病気なのです。この恐ろしい歯周病は誰にでも忍び寄る可能性のある魔の手であり、その歯周病からいかに抜け出すかというのは非常に重要なことなのです。
歯周病は「泥棒」みたいなもんです
近年、泥棒は多発しており、本当にどこの家に入っても何の不思議もありません。私の親戚も家の駐車場に停めておいた4WDの車が朝になったらなくなっていたという話を聞いたことがあります。また、私の友人では空き巣に2回も入られてしまったことがあります。それも、1回空き巣に入られたので、引っ越した先で、また入られてしまったのです。
私の友人は「泥棒が入っても、警察は一応は調べるけど『やられちゃいましたかー。もう、どうしようもないですねー』とか言ってんだよ!つかまえろっちゅうの!」と怒っていました。
歯周病もこれと同じなのです。歯周病になってしまったら、もう完全に治すことは不可能なのです。泥棒に入られてしまったら、泥棒を捕まえて、捕られたものを取り返すのが不可能に近いのと同じです。できることは、壊された窓ガラスを治して、家の中を片付けて、これ以上、泥棒に入られないようにすることしかないのです。つまり、歯周病においては、これ以上、進行しないようにいかにしていくかということが全てなのです。
年を取ったら歯は悪くなって当たり前?
歯周病治療のお話をする前に、先ず、今の日本の現状をお話させてください。「年を取ったら歯は悪くなって当たり前だ」と思ってらっしゃる方がたくさん、いらっしゃいます。悲しいですが、今の日本の現状ではその通りです。現在、80歳の方の平均残存指数はたったの6.8本(厚生省調べ)しかありません。通常、人間のお口の中には28本の歯がありますから、約4分の1しか残ってないのです。アメリカであれば85歳のときに平均15.8本、スウェーデンであれば75歳で平均19.5本の平均残存歯数となっています(サンスター調べ)。
なぜ、こんなに大きな差がついてしまったのでしょうか?
それは、日本の保険制度に問題があります。日本の保険制度では「悪いところを削ってつめる」ことしか保険として認められていなかったからです。ですから、日本人の頭の中に「歯医者は歯が痛くなったら行くところだ」という意識がついてしまったのです。そして、歯医者自体も削ってつめる治療ばかりを行い、「どうしたら悪くならないように予防できるか」ということを考えても来なかったし、患者様に伝えても来なかったのです。これが欧米諸国との間に大きな差がついてしまった最大の原因です。これにより、虫歯になる人も、歯周病になる人も減少することなく来てしまったのです。
スウェーデンでは75歳の平均で約20本も歯が残っているのです。歯は残せないのではなく、単に歯を残していないだけなのです。我々も、きちんとしたことを行えば、十分、歯を残せるのです。