2019年9月30日月曜日

歯科の滅菌はオートクレーブ(滅菌器)を使用します。130度以上の高温の蒸気で滅菌します

歯科の滅菌はオートクレーブ(滅菌器)を使用します。130度以上の高温の蒸気で滅菌します。細菌やウイルスは、この蒸気によってタンパク質が変性して、微生物が死滅します。その原理を活用したのが、オートクレーブです。しかし、オートクレーブの中には、高温の蒸気が十分に行き渡らない種類もあります。不十分な滅菌になりかねません。機器には厳正な基準を設けた規格があります。

クラスB滅菌器
滅菌器の「クラスB」は、世界で最も厳しいといわれる欧州の滅菌基準です。
滅菌器のクラス分類する基準とは?

クラスB
大型の高圧蒸気滅菌器の基準を満たす最も高性能な滅菌器です歯科 通販。最高レベルの称号が示す通りに、全ての治療器具に幅広く対応し、安全な治療環境に大きく寄与しています。

クラスS
滅菌器メーカーが指定する特定の治療器具の滅菌が可能になります。性能は「クラスB」に次いで、大部分の治療器具に対応しています。通常はこのレベルでも十分に対応が可能です。

クラスN
未包装の固定器具が使用可能な滅菌器です。滅菌後は保管せず、使用しなければなりません。通常の歯科医院は、このクラスの滅菌器を使用しているケースが一般的です。

マイクロスコープを使った治療もそんな時代を象徴する最先端の歯科治療です

口腔は狭く視野も悪いため今までの歯科では見えないため手探りやカンにたよっていた治療が行われていました。 治療の精度が悪いため、虫歯の再発や治療の予知性が悪く歯を失う場合が多かった。近年、マイクロスコープの登場により高倍率での治療が可能になり拡大視しているのでより確実性の高い治療ができるようになってきた。
最近はMinimal Interventionが注目され最小限の侵襲で出来るだ削らずに歯を残す治療が主流になって来ています。

マイクロスコープ 歯科を使った治療もそんな時代を象徴する最先端の歯科治療です。
しかし、歯科用マイクロスコープは高価な機械であるため、日本の歯科医院において、あまり普及していないのが現状です。(約2%)顕微鏡手術の歯科における導入の歴史的な経緯は、アメリカのペンシルバニア大学キム教授が 歯内医療法学(根管治療機器)分野で開始されました。

今から約18年位前(1992年)のことです。
そして現在に至っては、歯内療法で最も権威のあるAEA(アメリカ歯内療法学会)は、8年前から歯内療法の専門医とその教育機関に対して、顕微鏡診療研修と使用の義務化の通達を出し、その結果アメリカでは歯内療法専門医の99%が顕微鏡診療を行う実態となりました。法律でマイクロスコープの設置義務があるということは肉眼での治療は限界があるということを示しているように感じます。
日本の歯科ではマイクロスコープを常にルーティーンで使用している歯科医師は1%位と言われています。 しかし、通常はこんな大きな虫歯は抜髄(歯髄を除去すること)しなければならないところ、抜髄せずにすみました。
マイクロスコープはアメリカ合衆国の歯内療法専門医では義務かされていますが、日本では普及が遅れています。

マイクロスコープを使ったことにより
歯髄(神経・血管)を残すことが出来ました
抜髄(ばつずい)とは重度の虫歯治療などにおいて、やむをえず歯の神経を取り除いてし まうことを指します。この動画の治療ではマイクロスコープを使用することにより、一切抜髄をせず、治療を行 うことができました。明るい光と拡大して見ることにより精密な歯科治療が行えます。肉眼では捉えることが困難な歯の細部まで確認しながら、神経を避けて治療を行うにはマ イクロスコープが必要不可欠です。

抜髄(ばつずい)とは重度の虫歯治療などにおいて、やむをえず歯の神経を取り除いてし まうことを指します。しかし、この動画の治療ではマイクロスコープを使用することにより、抜髄をせず、治療 を行うことができました。肉眼では捉えることが困難な歯の細部まで確認しながら、神経を避けて治療を行うにはマ イクロスコープが必要不可欠です。

2019年9月29日日曜日

歯髄の中に細菌が侵入したり、過度の刺激が伝わったりすると、 歯髄は炎症を起こします。歯髄炎といいます

歯髄炎になると、軽度な場合は刺激に対して敏感になり、重症になると、刺激がなくともズキズキ痛むようになります。さらに進行すると、歯髄は壊死して何も感じなくなります歯科用品。ときには「ズキズキ期」を経ずに歯髄壊死を起こすこともあります。

歯髄炎の症状を参照
軽い歯髄炎の場合は、詰め物をして歯髄への刺激を無くせば、おさまります。ところが歯髄炎の程度がある一線を越えると、元には戻すことが難しくなります。 この状態を「不可逆性歯髄炎」といいます。 不可逆性歯髄炎と診断されると、歯髄そのものを取り除く処置を行います。 「歯髄」を「抜く」ので、「抜髄」といいます電気歯髄診断器

歯髄の症状は、治りにくい
人体のほかの場所の炎症は、原因を取り除けば たいてい治ってゆきますが、 歯髄の炎症は なぜ治りにくいのでしょうか?それは、歯髄が固い組織で囲まれているために、いったん強い炎症がおこると内圧が非常に高まり、その圧力がさらに炎症を強めるという相乗効果により悪化しやすいからです。

歯髄炎の診断方法 
症状についての問診や、視診はもちろん、冷たい物、熱い物の刺激による痛みチェック(温度診)、歯を叩いたときの痛みチェック(打診)、触診、歯の揺れ具合のチェック(動揺度検査)、レントゲン撮影などの一般的な検査に加えて、温度診(冷たい物や熱いものを歯にあてる)、電気歯髄診断器という機器を使って電気診(微量の電流を歯にあてて反応をみる)などを行い、歯髄がまだ生きているのか?すでに壊死しているのか?を調べ、どのような治療を行うかを決めています。
ちなみに知覚過敏の場合、歯を叩いたときの痛みチェック(打診)では痛みはないことが多く、歯を叩いて痛みがある場合は歯髄炎の可能性が高くなります。

歯髄炎の治療 
歯髄炎と診断された場合、比較的症状が軽い段階であれば治療の結果、完治する事も多少は期待できますが、症状が進行している場合は残念ながら「抜髄によって歯髄を抜き取る」しか方法がない場合が多いのが現実です。適切な治療方法については、診断によって異なりますので、詳しくは担当の歯科医師とご相談ください。

下記は、主に行われる治療です。
 歯髄の鎮痛消炎法-歯髄を残せると判断された場合に行われる治療-
歯髄炎の症状が軽い場合に行われるのが、薬を用いて歯髄の炎症を抑える治療です。虫歯がある場合はその部分を削り、薬剤をつめて歯髄に加わる刺激から保護し、仮の詰め物で歯を覆います(覆髄:ふくずい)。しかし残念ながらいくら症状が軽くても歯髄炎の場合、炎症が歯髄内に広がり症状がひどくなる可能性が非常に高いため、仮の詰め物で16ヶ月程度 様子をみて症状が落ち着いた場合は、被せ物や詰め物を入れて、再び歯の機能を取り戻すことができます。

高周波治療器は、本体より出力した高周波電流を治療部位に流し、発生した熱で消毒・滅菌処置をおこなう機器です

高周波治療器は、本体より出力した高周波電流を治療部位に流し、発生した熱で消毒・滅菌処置をおこなう歯科医療機器です。根管内(歯の根っこ)の消毒・滅菌処置において細い根管や側枝から先に消毒・滅菌できるのが最大の特徴です。歯周病の治療でも、歯周ポケットのすみずみまで消毒・滅菌できる、消毒・滅菌処置のエキスパートです。

高周波治療では、高い周波数の電気を流します。人体は高い周波数の電流に対して感度が鈍くなる性質があるので危険が生じません。そして菌の部分で発熱を起こしその熱で菌をなくしてしまおうというものです。

何よりも、患者様の「痛み」への負担をやわらげ、治療期間も短くすることができることが魅力です。高周波治療は歯科全般に応用できますが、特に根管治療(根の病気)や歯周治療(歯茎の治療)に有効です。

抜髄
高周波は、細いところへ流れる特性があります。細いところは、電気抵抗が高いのでそこで発熱をします。この特性を生かしたのが高周波電気抜髄です。このように、根管内にチップを挿入し通電を行います。この状態で細いところへ高周波が流れますので、根尖部分と側枝が一番強く発熱をし、歯髄が蛋白凝固されます。この原理によって残髄もなく根管が滅菌されます。

感染根管
最初に根管内で通電をし、根管内を滅菌します。この際根壁にチップを沿わすことで側枝も滅菌できます。次にチップを穿通させ、病巣内の最近に対して高周波の熱で細菌の減少をはかります。

歯周病
最初に根管内で通電をし、根管内を滅菌します。この際根壁にチップを沿わすことで側枝も滅菌できます。次にチップを穿通させ、病巣内の最近に対して高周波の熱で細菌の減少をはかります根管治療機器

高周波治療機は、従来歯周外科でなければ除去できなかったような歯周ポケット深くにできた歯石も除去が可能です。

2019年9月28日土曜日

エアースケーラーの基本的な知識 

まずエアースケーラーの基本的なことからです。歯科 スケーラーが主に使用されるのは、現在も歯肉縁上歯石のスケーリングです。超音波スケーラーが、ペリオ、縁下の歯石・歯垢の除去やバイオフィルムの破壊にも同等に大変活躍しているのを考えますと、使用方法が限られていますね。そして、その原理は圧窄空気で発生するエネルギーを回転力に変えて、これをハンドピース内で振動に変換しています。

エアースケーラーの主な使用が縁上の理由 
エアースケーラーが主に使用されるのが、現在も歯肉縁上の歯石のスケーリングである理由の一つはその操作方法にあります。パワー設定がダイヤルなどではできず、フットスイッチの踏み込み加減でしなければならないためです。

先日、ある先生方の勉強に招かれ、
超音波スケーラーや超音波チップのことを話し、その後、懇親会で意見を交わしたりしましたが、その際も、「どうしてもフットスイッチの踏み込み加減でパワーを決めるので、
目一杯踏み込むことになってしまう」と仰ってました。当然、目一杯踏み込めばそれだけ、
超音波チップが大きな動きをします。エアースケーラーは1秒間に3千回の振動と元々超音波スケーラーの10分の一ですが、この目一杯踏み込むというのはあまりよくありません。
車で例えれば、
180キロ出せる車で120キロをだすのと
120キロしか出せない車で120キロを出す違いのようなものです。

エアースケーラーの主な使用が縁上の理由2
もう一つの理由は、エアースケーラー用チップの動きです。先ほど、書きましたがエアースケーラーはエアータービンで駆動させますのでエアースケーラー用チップは回るように動きます。超音波スケーラー用チップの昔の磁歪型(マグネット型)が八の字に動くような感じでまあるく円を画くように動くのと似ています。このため、チップの側面を使うと歯面を叩く動きが入ってしまいます。これがエアーチップの弱点です。先ほどあげた勉強会に衛生士さんも出席されていましたが「エアーチップのほうが超音波チップよりも歯面に傷つける」とも仰ってました。超音波スケーラーはぺリオモードなどでパワーを弱くできますので、その辺がポイントになります。

エアースケーラーのもう一つの弱点
それは実際に歯に触れるチップです。どうしてもまるく動き、目一杯のパワーで駆動させますので、チップをブンブン降りますような感じになります。例えば、先端が0.5ミリで、全体的にスマートな超音波チップをエアースケーラーに取り付けて、目一杯踏み込んで作動させると、一発で先端が飛んでいきます。ですので、エアーチップはふっくらとした形状になってしまい縁下の歯石除去などがしづらくなります。

歯の周囲の骨の破壊の程度が、立体的に把握でき、歯周病の進行度が正確に診断できます

歯科用CT歯科用品とは患者様の骨の状態・形態を3次元画像で診査・診断するための機器です。
CTでは3次元画像で診断が出来るため、2次元パノラマでは分からなかった、 「骨の量や形態」「神経の位置」「骨が溶けて膿みが溜まっている部分」 などが正確に分かりますので、患者様にとって、適切でよりよい治療計画がご提案できます。

また、インプラントだけでなく矯正や根管治療、親知らずなど幅広く歯科治療に応用することができ、正確な診査診断により安全性の高い治療につなげることができます。
CTを使用する主な治療
初診の診査・診断時
親不知の抜歯
インプラント治療
歯周病治療
根管治療(歯の根の治療)

歯科用CTでわかること
インプラント治療において
骨の状態、神経の走行を確認する事ができ、より安全な治療を行うことができます。当院内に完備しておりますので、CTセンターなどへ撮りに行く必要がなく、撮影後すぐに診断が可能です。

根管治療において根管治療機器
歯の根の先の病巣の状態など、通常レントゲン画像に比べてはるかに正確な診断ができます。

歯周病治療において
歯の周囲の骨の破壊の程度が、立体的に把握でき、歯周病の進行度が正確に診断できます。それにより、最善の治療計画をたてることができ、治療の予知性が高くなります。

親知らずを抜く場合
歯の位置や向き、また神経との位置関係が3次元的にわかることで、抜歯が手際よく安全に行えます。

2019年9月27日金曜日

レントゲンを撮る際には、ずっしりとした防護服やエプロンを着用することがありますね。

レントゲン防護服の役割
レントゲンを撮る際には、ずっしりとした防護服やエプロンを着用することがありますね。これはレントゲン防護服やX線防護服と呼ばれ、特殊な加工を施してあり、放射線源(放射性物質)の透過を緩和することができます。つまり、防護服を着ることでより身体への影響を減らすことができるのです。
着用を希望する場合は事前に問い合わせを
レントゲン防護服は少し重く動きにくいため、嫌がる子供も多くいます。
泣いてしまうとなかなかレントゲンが撮れないため、防護服を着用しないで撮影というのも珍しくありません。
そもそも、レントゲン照射器は放射線源(放射性物質)量が微量であることや、防護服は気休め程度の効力であることから、防護服を着ない歯科医院も多いのが現状です。
しかし、どうしても気になるという場合には、事前に連絡して、子供用レントゲン防護服の有無を確認することをおすすめします。
レントゲンの有無は歯医者によって異なる
方針や、治療方法によって異なる
いつレントゲンを撮るのかは先生の判断によるもので、どの先生でも同じというわけではありません。
初診は必ずレントゲンを撮って状態をチェックする先生もいれば、何もなくても年に一度撮影し、去年との違いを確認する先生もいます。
歯医者さんによって治療方針は様々なので、気になる方は、ぜひ先生に相談してみましょう。
レントゲンで分かること
 歯根の様子
歯の根っこの様子を知るためにレントゲンは欠かせません。
歯の根っこが炎症を起こしているフィステルなどはレントゲンを撮り、腫れている部分や薬がきちんと注入できているかなどを確認します。
外からは見ることのできない「歯の内部の治療」にとって、レントゲンは欠かせない存在です。
 虫歯の進行具合
一見、小さな黒い点であり小さな虫歯だと思っていたら、入り口は小さく、奥に入ると広く深くといったタイプの虫歯は子供に多くみられるパターンです。
治療前にレントゲンを撮ることで、虫歯の状態や進行具合を確認することができます。
骨の様子
歯は歯茎だけでなく、骨にも支えられていますが、歯周病が進むと顎の骨が溶けてしまうことがあります。外からは分からないため、まずはレントゲンで骨の様子を確認して治療方針を立てていきます。
被せ物の様子
被せ物は一度被せれば永久的に歯を守りつづけると考えられがちですが、それは違います。歯と詰め物の隙間から細菌が侵入し、根っこで炎症をおこしたり、虫歯を進行させることもあります。そしてこれは決して稀な現象ではありません。そのため、異常を感じなくても数年に1度は詰め物をした歯を点検することをおすすめします。しかし、いちいち詰め物を取っていると時間もお金もかかりますよね。そんな時もレントゲンで確認することで、スピーディーに検査をすすめることができるのです。

高圧蒸気滅菌器は、 クラスN・クラスS・クラスBの3つのクラスに分類されます。

高圧蒸気滅菌器は、クラスN・クラスS・クラスB3つのクラスに分類されます
安心、安全の医療を行っていくに当たり、滅菌対策はとても大切にするべきことだと考えています。
そのため当院では世界最高峰のヨーロッパの基準で認められたクラスBのオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)を導入しています。ドイツでは80%もの医療機関が、このクラスBの滅菌器を導入していまが、今の日本の民間医療機関では、わずか2%しか導入していないという。
たしかに今の日本の保険制度では、歯科医療機関において高度な滅菌システムにすることは難しい理由があります。しかし僕自身、インプラントを多くすることもあり、歯科器具の滅菌に対して人一倍こだわりがある。出来る限り、皆さん(患者さん)の口腔内に入れる歯科医療器具は清潔にしておきたい。ゴム手袋においても、いろいろ使い捨てのゴム製の手袋(ディスポ)を使用したりしています。歯科医療機関での歯科器具の滅菌は見た目に判るものではないが、当院の感染に対する滅菌のこだわりなのです。

クラスBのオートクレーブ(高圧蒸気滅菌器)は、あらゆる種類の被滅菌物に対応するプレポストバキューム方式の高機能滅菌器であり、滅菌のクオリティーは、ヨーロッパ基準のクラスBの時代へ移行しようとしています。クラスBのオートクレーブは、滅菌工程で徹底的に空気除去により真空状態にし滅菌を行うことにより、ハンドピースや手術機械、音波スケーラーのチップなど複雑な形状、さまざまな種類の器材を滅菌可能となります。

高圧蒸気滅菌器は、
クラスN・クラスS・クラスB3つのクラスに分類されます。

クラスN
包装がされていない固形器具のみ滅菌が可能。
滅菌後はすぐに使用(保管は不可)。
袋詰めされた器具や複雑な構造をもった器具の滅菌を100%行うことはできません。
(いまだに多くの歯科医院がこのタイプの滅菌器を使用)

クラスS
メーカーが指定した特定の器具の滅菌に使用することが可能。

世界最高クラスB
大型滅菌器の規格に準拠。
すべての種類の器具を滅菌することが可能。
(患者さんのために感染・予防・安全をしっかり考えた歯科医院で使用。今後このクラスの滅菌器が世界基準になると言われています。)

2019年9月25日水曜日

歯の型取りをして作るタイプの詰め物を「インレー」といい、数種類あります

虫歯の原因
お口の中には多くの細菌が存在し、これを口腔常在菌といいます。この中で虫歯を引き起こす最も重要な菌はストレプトコッカス・ミュータンスといいます。これらの細菌の量や種類により虫歯の進行速度は変わります。

歯垢(プラーク)が付着しやすいのは、臼歯の咬合面の溝や、全ての歯の歯肉縁、歯科修復材料と歯の境において最も顕著です。虫歯の原因となる細菌はプラークから乳酸等の酸を産生します。酸が大量に作られるとお口の中のpHは酸性に傾き歯を溶かし始めます(脱灰)。しかし唾液の作用によって数十分もすればアルカリ性に戻り溶けた歯を修復する働きが起きます(再石灰化)。毎日のお食事の度にこうした脱灰と再石灰化がお口の中では起きています。
虫歯の発生はこのお口の中で起きる歯を溶かす働きと歯を修復する働きのバランスが崩れたときに起きるのです。歯の最表面をエナメル質といい、この部分が溶けはじめた初期の段階では、エナメル質に抵抗性があることや、歯が再石灰化するため、エナメル質表層は溶けず、その下から溶け始める。
これをエナメル質の表層下脱灰といい、この段階が初期の虫歯です。この段階では、まだ、再石灰化により、歯が元に戻る可能性がありますので削る治療はせずプラークコントロールやフッ素塗布などを行います。エナメル質を超えて虫歯が進行してしまった場合には歯を削り虫歯を取り除く治療が必要となってきます。

詰め物での虫歯治療
虫歯が比較的小さい段階では、昔のように型取りはせず、虫歯だけ削って、「コンポジットレジン」という樹脂製の白い材料を歯につけて修復する事が可能です。歯の侵襲を最小限に抑える事が出来るため、優れた治療法ですが、虫歯が大きくなると、コンポジットレジンでは強度的に不十分なため、型取りが必要となります。またコンポジットレジンはお口の中で成形しなければいけないので、あまりに複雑な形の場合も型取りが必要となります。歯の型取りをして作るタイプの詰め物を「インレー」といい、数種類あります。
保険外治療でのインレー(セラミックインレー)
オールセラミックインレー
保険の金属に比べるとアレルギーの心配はありません。また歯と同じような色で作ることができるので銀歯に比べて目立ちません。材質はセラミック100%ですので汚れや傷が非常につきにくく、経年的な劣化が少ないのが特徴です。セラミックは歯に強く接着させる事が可能なため、インレーと歯との隙間のセメントが劣化し、間から虫歯になるリスクも下げる事が出来ます。ただし金属に比べると割れるリスクがありますので、担当医と相談して決めるようにして下さい。

特に上の義歯では保険の場合、プラスチックで顎を広く覆わざるを得ないのです

保険と自費、いったいどこが違うの?
入れ歯(義歯)を作製する際には、日本の医療制度のもとでは「保険で作りますか?自費で質の高いものを作りますか?」と私たちは患者さんに聞かざるを得ません。
保険の入れ歯
ある程度はかめる。精密度、快適性、審美製、耐久性には限界あり。
これは保険で認められている入れ歯の作製方法や使用材料がごく限られたものであり、出来上がった入れ歯の品質も最良とは言いがたいからなのです。
保険と自費の入れ歯の違い
精密度・適合度
食べる、しゃべる、飲み込むなどの時の舌・頬・口唇・喉など顎の周りの動きに合致した義歯の形を作るには、吟味された材料と何回に分けた精密な型採りが必要となります。部分入れ歯の場合には、さらに維持のための針金が支えの歯にぴったりと適合するために、精密ゴムを使っての型採りが必要になります。こういった手間と材料の違いのために、保険の義歯と自費の義歯とでは精密度やその結果の義歯のがたつきに10倍くらいの差がでてきます。これが実際にはかんだ時の義歯の動きの差、「かめる」「かめない」の差となって出てきます。
顎の動きにそったかみ合せ
食べる、飲み込むなどの動きは単純な上下運動ではありません。顎は前後左右上下にさまざまな動きをしています。義歯に並べた歯はそれらの動きを邪魔せず、同時に顎の複雑な動きに合致することが必要です。このためには顎の動きを測定し、人工の歯のかみ合せを、器械の上と口の中の双方で綿密に調整することが必要です。このような操作は場合によっては顎の動きの変化に合わせて、数ヶ月にわたって行う場合もあります。保険の義歯では残念ながらこのようなことは難しいのです。ある程度のところで妥協せざるを得ません。一方、自費の義歯では丹念にかみ合せのチェックと調整を行って、咀嚼しても動きの少ない快適な義歯を作ることが可能なのです。顎の動きに合わせたかみ合せの義歯はかむほどに動かず、土手に密着して快適なものです。
装着時の快適性
特に上の義歯では保険の場合、プラスチックで顎を広く覆わざるを得ないのです。これがもとで「しゃべりにくい」「厚ぼったい」「違和感がある」などの訴えにつながりやすいものです。自費の義歯の場合には金属の薄い材料を使用することでかなりの程度これらの問題を改善することができます。
審美性
部分義歯の場合、針金が笑うと見えてしまう場合がしばしばあります。自費の部分義歯の場合には、設計を工夫して針金を笑っても目立たなくすることが可能です。
耐久性
保険の義歯の場合にはプラスチックのピンクの部分(床といいます)が使用しているうちに割れてくることがしばしばあります。自費の義歯の場合には丈夫な金属のフレームで作ることが可能なので、破損の比率はずっと少なくすることが可能です。
また人工の歯に付いても自費の義歯の場合には、より磨り減りにくい材質のものを採用しています。
これらのきちんと手をかけた治療を行うためには、保険の制約の中では無理があるのです。ただし、種々の理由で保険診療をご希望される患者さんには、保険で義歯を作製することももちろんしています。ただしその際には、義歯の出来上がりに残念ながら質の差があることをお伝えしてご了解を得るようにしています。

入歯による治療法は総入歯(お口の中全体を覆う入歯)と部分入歯によるものがあります

歯を失った場合の治療法
歯を失ってしまった場合、その機能を回復するために数種の治療法が存在します。インプラント治療もその一つですが、従来の治療法と比べて何が違うのでしょうか?
まず、歯を失った時の治療法の選択肢をあげてみましょう。
①ブリッジによる治療
これは両隣の歯を削って、その歯に被せものを入れるスペースを作り、失った歯の部分(欠損部)に橋を架けるようにして機能回復を行う治療法です。
*長所*
自分の歯に近い感覚で噛む事が出来る
比較的早く治療を完了できる
保険適用が可能(使う素材の違いで保険適用外もあり)
*短所*
両隣の歯を大きく削らねばならない(特に虫歯も何も無い健康な歯を削る場合、ブリッジ治療のために不必要に傷を付けてしまう事になる)
失った歯の分まで噛み合わせの力を負担する事になるため削って被せものをした両隣の歯の寿命が縮む傾向にある
ブリッジという構造上(橋を架けているという構造)補っている欠損部に食べカス等のゴミがたまりやすく、不衛生になりがち
欠損部の顎骨は痩せていく傾向が強くなる
耐久年数は5年~8年(あくまで平均値)
②入歯による治療(部分入歯)
入歯による治療法は総入歯(お口の中全体を覆う入歯)と部分入歯によるものがあります。歯が残っている場合は、その歯に金属性のバネを引っ掛けて欠損部を補い機能回復を行う治療法です。
*長所*
治療期間が短い
保険適用が可能でリーズナブル(保険適用外の素材や設計もあり)
*短所*
異物感が強い
噛む力が弱くなり、噛む感覚が自分の歯とは違う
壊れやすい場合があり、耐久性に乏しい事が多い
取り外して扱うので手間が増える
見た目(審美性)が悪く、金具が見えてしまったりする事が多い
欠損部の顎骨は高度に吸収していく傾向がある