2019年9月20日金曜日

初期の虫歯は自覚症状がなく、痛みもありません

初期の虫歯は自覚症状がなく、痛みもありません。しかし、「痛くないから・・・」といって虫歯を放置しておいても自然に治ることはなく、少しずつ進行していきます。はじめは歯の表面のエナメル質が削られるだけですが、そのうち象牙質まで虫歯におかされていってしまうのです。さらに歯の奥の神経まで達すると、何もしなくてもズキズキ痛むようになります。その段階が過ぎると、いったん痛みが消えることもありますが、これは虫歯が治ったからではありません。歯の神経が死んで、痛みを感じなくなったせいなのです。
この段階になっても治療を行わないでいると、歯の根の先に膿が溜まり、再び激しく痛みを感じるようになります。こうなってしまうと治療の施しようがなく、大切な歯を失ってしまう可能性が高まるのです。虫歯の治療は進行すればするほど削る範囲が大きくなり、処置も複雑になります。身体的な負担が増すだけでなく、治療期間も費用もかさんでしまうことにつながります。気になる虫歯は放置せず、できるだけ早い段階での処置を目指しましょう。

C1【エナメル質の虫歯】
歯の表面のエナメル質内まで虫歯が進行した状態です。痛みはほとんどありませんが、まれに冷たい物がしみることはあります。虫歯の部分を小さく削りとり、レジン(歯科用プラスチック)を詰めて修復します。
C2【象牙質の虫歯】
エナメル質の奥にある象牙質まで虫歯が達した状態です。象牙質は神経につながっているため、痛んだり、しみたりといった自覚症状が増えてきます。虫歯の部分を削りとってから、詰め物や被せ物で補修していきます。
C3【神経の虫歯】
象牙質の奥深いところまで虫歯が進行し、神経まで達した状態です。何もしなくてもズキズキ痛むようになります。ここまでくると、歯の根の治療である「根管治療(こんかんちりょう)」が必要になります。
C4【歯根の虫歯】
虫歯の末期状態で、歯根だけが残った状態です。このまま虫歯を放置しておくと、根の先から歯根膜に炎症が起こり、硬い物を咬むことで痛みを感じるようになります。ほとんどの場合、抜歯しか手立てがありません。抜歯後は歯の機能を補うため、入れ歯やブリッジ、インプラントを検討します。
重度の虫歯から歯を残す「根管治療」
虫歯菌が神経まで達したような重度の虫歯の場合、「根管治療」が必要になります。根管とは、歯の神経や血液などが通っている細く複雑な管のこと。根管治療によって、重度な虫歯でも歯を残せる可能性が高まるのです。根管治療では、根管の中から虫歯菌におかされた神経をすべて除去してから、専用の薬剤で徹底的に消毒します。その後、再び虫歯菌におかされないように薬剤を詰めてから蓋をして密閉します。

細く複雑な形をしている根管の治療には、高度な技術が必要です。当院では最新の高周波治療器を採用し、歯髄を抜いたり、根管の長さを測定したり、拡大洗浄を行ったりといった精密な治療を効率よく行うことで、患者様の身体的なご負担を少なくするよう努めています。

0 件のコメント:

コメントを投稿