2019年9月24日火曜日

口臭や出血がひどく、歯石の付着も目立つ状態。徐々に骨が後退しはじめ、歯周ポケットも深くなり、歯にグラつきが起きはじめます

近年の厚生労働省の調査によると、「日本人の成人、約8割が歯周病に感染している」という報告がされています。40才以上では5人中4人は歯周病にかかっているともいわれ、もはや歯周病は国民病のひとつといえます。歯周病の主な原因は細菌です。お口の汚れや歯垢が石灰化して歯石に変わると、歯と歯肉の間に歯周ポケットと呼ばれる溝が深くなり、細菌の温床になってしまいます。

細菌によって歯肉が炎症を起こし、それが歯周ポケットの奥深くまで広がると、歯根膜や歯槽骨までが細菌によって溶かされ、歯を支えきれなくなってきます。つまり、治療をせずに放置しておくと、最終的に歯を失ってしまうのです。歯周病は、感染していても症状を感じにくく、静かに進行していく病気です。特に初期段階では、これといった症状がほとんどありません。そのため、自覚症状が現れたころには、歯の周りの組織が細菌によってかなり破壊されていて、手遅れになってしまうケースがほとんどです。そうなる前に、早期発見・早期治療で、大切な歯を歯周病から守りましょう。
軽度歯周病
歯と歯肉の間にプラーク(歯垢)や歯石がたまり、細菌が繁殖。歯肉に炎症が起き、歯肉の腫れや出血が見られる状態です。この段階であれば、歯科衛生士によるブラッシング指導や12回のクリーニングなどを行なうことで、比較的短期間で回復可能です。

中等度歯周病
口臭や出血がひどく、歯石の付着も目立つ状態。徐々に骨が後退しはじめ、歯周ポケットも深くなり、歯にグラつきが起きはじめます。この段階では、歯の表面に沿って歯周ポケットの奥まで付着した歯石を取る治療が必要になります。痛みを感じる時は、麻酔をして無痛状態の上で施術します。さらに、数回にわたって除石をし、歯肉の状態が改善された後に再検査を行ないます。歯肉溝(ポケット)の深さが4mm以上あるところは、通常の手用器具を用いた非外科的な処置は見込めないため、歯周外科の適応になる場合があります。
重度歯周病
歯肉が化膿によって真っ赤に腫れ、骨もかなり破壊されて後退し、歯の動揺がグラグラと大きくなった状態です。重度の場合、非外科処置では対応出来ない部位があれば、歯周外科にて対応します。それでも保存不可能な場合は、残念ながら抜歯となります。

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