2019年9月10日火曜日

歯周病を治す薬がある、またはレーザーを当てると治るって聞いたけど?

歯周病の原因はプラークの中の細菌です。そして歯周病の治療とは徹底的にプラークを除去する事です。
まず一番大事な事は、患者さんご自身が毎日きちんと歯磨きを行い、プラークを出来る範囲で取り除くことです。それだけでも軽度から中程度の歯周病は回復していきます。その上でご自身では届かない部位のプラークや歯石を歯科医院で取り除く事により、進行を食い止め、治癒を加速させる事が出来ます。逆に、歯科医院で歯石を除去してもご自身の歯磨きが不十分であれば、歯周病は回復しません。
エステなどで徹底したクレンジングやピーリングを行ったからといって、「これで1週間顔を洗わなくても平気!」とは思いませんよね?お口のケアもそれと同じことです。
そして、重度の歯周病の方の場合は、より深い場所にある歯石を取り除くために、外科的な治療が必要になる事もあります。また、近年では溶けてしまった歯の周りの骨を回復させるような手術が日本でも保険内で受けられるようになりました。
当院では、中程度から重度の歯周病の方をとにかく早く治したいという方に、歯周内科というアプローチも準備しておりますので、ご興味のある方はご相談ください。

歯周病を治す薬がある、またはレーザーを当てると治るって聞いたけど?
確かにいろいろな方法によって一時的な歯肉の回復は可能です。歯周病は細菌による感染症ですので、様々な方法を用いて細菌を抑え込むことにより一時的に歯肉は回復します。
しかし残念ながら、歯周病を薬「だけ」で治す、レーザー「だけ」で治す、というのは、単なる宣伝文句です。2・3種類の薬剤を同時に服用する方法や、薬剤を塗ったマウスピースをはめておく方法、薬剤ペーストを注入する方法などが薬を使用した歯周病治療として紹介されています。また、歯周ポケットに単にレーザーを照射する方法や、ポケットに注入した薬剤に光をあてるなどの方法がレーザー・光を使用した治療法です。
全て一時的な効果はあるものの、その後に継続して適切なメンテナンスを行わなければ、おおよそ数週間から数か月経過すると元の状態に戻ってしまう事も分かっています。ひたすら歯周ポケット内の歯石やプラークを除去する古典的な保険内治療の方法でも、時間や回数はかかるものの歯周病は回復します。

さらに教育的な側面として、苦労して習得した歯磨きの習慣やテクニックは忘れることが無いために、今なお歯周病治療の最も標準的な治療法として残っているわけです。ただし、より体に安全な治療を受けたい、1日でも早く治したい、何度も歯科医院に通う時間は無い、という方はご相談ください。

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