2019年9月19日木曜日

歯垢の中の細菌が歯茎に直接触れているので、炎症が起こる可能性が高まります

歯科医院に行くと「歯石を取りましょう」と言われることはありませんか?歯に付いた歯石を放置していると炎症や腫れが生じ、悪化すれば最悪、歯を抜かなければならないレベルの歯周病を引き起こすこともあります。「歯茎から血が出る」「歯茎がブヨブヨしている」というお悩みは、歯石が原因かもしれません。今回は歯石とはそもそも何か。どういう治療方法や予防方法があるのかをご紹介します。

歯石とは?そのメカニズム
歯石とは、お口の中に存在する歯垢(プラーク)と呼ばれる細菌の塊が、唾液中のカルシウムと結合して石のように固くなり、歯の表面や根本に付着したものです。
歯石は歯の表面に付く縁上歯石と、歯周ポケットの中に付く縁下歯石の2種類があります。特に、縁下歯石には注意が必要です。なぜなら、歯周ポケットの中に歯石があるため、外側から見て、歯石が付いているかどうか分からないからです。
歯石は歯周病の進行を早める
歯石に病原性はありませんが、歯周病菌が付着すると歯周病の進行を早めるため、口腔環境を整えるためにも取り除かなければいけません。
なぜなら、歯石の表面は無数の小さな穴が開いており、歯垢が引っ掛かりやすくなります。そして、歯垢の中に含まれる細菌がその穴に入り込み、活動し続けます。特に歯周ポケット付近の歯石は注意が必要です。
歯垢の中の細菌が歯茎に直接触れているので、炎症が起こる可能性が高まります。症状の悪化は歯周病を引き起こし、弱った歯茎から出血したり、歯が抜けたりすることもあります。

セルフケアの限界
歯磨きをしても歯石ができる理由は、歯磨きは自己流になりやすく、磨いたつもりでも、歯と歯の間や奥歯に磨き残しができるためです。そこに溜まった汚れが歯石を作ってしまいます。

歯垢であれば丁寧なブラッシングで落とせますが、石のように硬い歯石は、歯科医院にある機器を使わなければ、落とすことができません。
もし、歯石があることに気づいた場合は、歯科医院で治療を受けるようにしましょう。中には、つま楊枝を使って歯石を取ろうとする患者様がいますが、歯茎を傷つけ、細菌感染を引き起こすリスクがあります。絶対にお止めください。
歯石除去の具体的な方法
当院では歯石を丁寧に除去することはもちろん、患者様の口腔環境をより良くするためのサポートをご希望に応じておこないます。例えば、医師・衛生士が専門の機器を用いておこなうPMTCというお口のクリーニングで、歯や歯茎に細菌が付きにくい状態をつくります。また、汚れを残さないための患者様に合わせたブラッシング指導や生活習慣の改善などもおこなっております。その後もご自身でケアを怠らないことで、お口の健康を維持できることでしょう。

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