2019年9月6日金曜日

歯周病は、歯がグラグラしてきて抜ける「歯の病気」です

細菌の塊であるプラーク、バイオフィルムによって徐々に歯周組織が破壊される病気が歯周病です。歯周病は大きく歯肉炎と歯周炎に別れます。歯肉炎では歯肉の炎症や歯石は認められますが、歯を支えている骨や歯周組織には炎症はおよんでいません。

歯周炎では歯石沈着や炎症が歯根にまでおよび、歯を支える骨や歯周組織の破壊が起こります。歯周病は成人の78割が罹患しているといわれていて、その多くは成人以降で慢性的に進行していきます。また、歯周病は肥満やストレス、喫煙などとも深く関係しており、生活習慣病のひとつと考えられています。放置すれば歯の喪失に至り、成人以降では最も注意すべき口腔疾患です。
さらに、最近の研究から、歯周病は多くの全身疾患(糖尿病、脳梗塞、心筋梗塞、高齢者の肺炎など)と関連があることが明らかになりつつあります。歯周病の進行予防には継続的な口腔管理が不可欠です。当院では定期的な歯石除去や徹底したクリーニングにより、一本でも多く、一日でも長くご自分の歯を守るよう、努力しています。

歯周病と全身疾患との関係
歯周病は、歯がグラグラしてきて抜ける「歯の病気」です。しかし最近、歯周病と全身的疾患との関係が指摘され始めてきました。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)との関係
寝たきりやご高齢で抵抗力が落ちていると、口腔内に大量の歯周病菌が発生し、誤嚥性肺炎を発症することがあります。

早産や低体重児との関係
歯周病菌による口腔内の炎症が血管を通して全身に回り、羊水にまで影響。その結果、早産と低体重児の原因となることがわかっています。

心臓発作(心筋梗塞)
重度の歯周病は、歯周病菌が血管内にまで入り込み血液の流れによって全身の臓器に侵入します。現在、歯周病菌の一種に、血栓(血のかたまり)を作る作用があることが証明されていて、それが心臓の血管を詰まらせ心臓発作を引き起こすとされています。
基本治療
歯周病(歯槽膿漏)は、プラーク(歯垢)の中に含まれる歯周病菌の増殖による感染症です。まずは、歯周病菌を減少させるために、歯垢やそれが硬化した歯石を取り除き、炎症の軽減を行います。このように、清潔な状態を保つための治療を「初期治療」と呼びます。
プラークコントロール(ブラッシング)
プラークコントロールとは、虫歯や歯周病(歯槽膿漏)の原因になるプラーク(歯垢)を減らすことを言います。主な治療は、患者様ご自身によるブラッシング(歯みがき)です。毎日ブラッシングをしていても磨き残しがあれば、虫歯や歯周病(歯槽膿漏)になってしまいますので、歯科医院で正しいブラッシング指導や、食生活のアドバイスなどを行います。

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