2019年9月17日火曜日

糖尿病が歯周病と関係が深い事は随分前から分かっていました

歯の周りに細菌が付着し、歯茎の中に入り込み、最終的に歯を支えている骨が溶けてしまう病気のことを歯周病といいます。実は、歯を失う原因の1位は歯周病で全体の42%もあります。32%で2位のむし歯よりも10%も多いのです。歯茎が炎症により出血したり、腫れたり治ったりを繰り返すのが特徴です。さらに、骨が溶かされると、歯のぐらつきも症状として出てきます。成人の約80%が歯周病だと言われている為、自覚症状がなくても歯周病を患っている可能性が十分にあります。その為、できるだけ早期の発見をし、治療、そして予防をしていくことが大事です。

歯周病と全身の関係
歯周病はお口の中だけの病気と思っていませんか?しかしこんなにも全身と大きく関わっている病気なのです。歯と歯肉の間の歯周ポケットには常にたくさんの細菌が常在しており、その歯周病細菌が歯肉に刺激を与え続けると歯肉の組織を壊し、簡単に細菌が体内へ侵入してしまいます。細菌は血液にのり、全身疾患へ負の影響を及ぼします。健康な方であれば免疫器官が細菌を排除しますが、何らかの疾患をお持ちの方や高齢者は免疫力が弱いため注意が必要です。
歯周病と心疾患
アメリカの疫学研究によって、歯周病は心筋梗塞や狭心症、感染性心内膜炎のリスクも高くなる事がわかってきました。歯周病細菌が持っている血小板凝固因子が動脈に血栓を作り、心筋への血流を阻害させます。その結果、心筋梗塞や狭心症を引き起こす可能性があるのです。ほかにも、感染性心内膜炎という心内膜に炎症が起こり心臓の働きを低下させる病気も気をつけなくてはなりません。歯周病を引き起こしたからといって必ずしも心疾患を患うという事はありませんが、歯周病を予防・治療することで少しでもリスクファクターを減らす事が大切ではないでしょうか。
歯周病と糖尿病
糖尿病が歯周病と関係が深い事は随分前から分かっていました。健康な状態では、すい臓から分泌されるインスリンは細胞に糖を届け、それにより細胞はエネルギーを蓄えます。糖尿病の場合このインスリンが不足したり、働きが悪くなるため細胞にうまく栄養素が行き届きません。そのため傷の治りも遅く、細菌感染を引き起こしやすくなり歯周病の進行を早めてしまうのです。ほかにも高血糖になると粘着性の赤血球が増え血液の流れも悪くなりますます傷の治りが遅れてしまいます。最近では、歯周病が糖尿病に与える影響も注目されています。歯周病菌が産生する物質のなかにインスリンの働きを邪魔するものがあり、そのため血糖値をコントロールするのが難しくなります。歯周病の治療をする事で糖尿病の症状が良くなることも報告されているほどです。

0 件のコメント:

コメントを投稿