2018年1月31日水曜日

虫歯とは異なり、初期~中期の段階ではほとんど自覚症状がないため、気付かないうちに進行します

歯周病とは虫歯のように歯そのものに起こる病気ではなく、その周りで支える歯ぐきや骨に起こる病気で、歯を失ってしまう1番の原因とされています。歯の周りに付く汚れである歯垢(プラーク)の中にいる細菌が、歯と歯ぐきの境い目(歯周ポケット)から侵入し、毒素を出して歯ぐきに炎症を引き起こし、さらには歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまいます。
虫歯とは異なり、初期~中期の段階ではほとんど自覚症状がないため、気付かないうちに進行し、歯ぐきの腫れや出血、歯の動揺などを起こした後、ついには自然に抜け落ちてしまうくらい重症になることもあります。1度進行してしまった場合は治療により進行を止めることはできますが、高血圧症や糖尿病のように元の状態に戻すことはできないので、専門的な検査による早期発見・早期治療が重要になりますし、その後の適切なセルフケアや定期的な検診を受けていくことによって進行の予防をしていくことがとても大切になります。

PMTC
予防のスタートは、PMTCと呼ばれる歯科衛生士が専門の機械を用いて行うクリーニングです。歯垢やプラークはバイオフィルムと呼ばれ、歯の表面にヌルヌル、ネバネバした膜を作っています。この膜の中に、むし歯や歯周病の原因となる細菌が住み着いています。
バイオフィルムは歯ブラシでは取り除けないほど強力な粘着力を持っています。そのためPMTCを定期的に行うことによって強力なバイオフィルムを除去し、お口の中をむし歯、歯周病から守り健康的な口腔内が維持できます。
ブラッシング指導
フッ素塗布が終わった後は、ブラッシング指導を行います。
日頃のブラッシングでは、しっかり磨けているようで実は磨き残しのある患者さんが少なくないため、きちんとそれぞれの患者さんに合った歯ブラシの硬さや形状の選択、磨き方のコツを歯科衛生士が丁寧に指導させていただきます。

歯科医院では、「PMTC」と呼ばれる口腔内のクリーニングを行います。PMTCとは、Professional Mechanical Tooth Cleaningの略称で、特殊な器具を用いて普段の歯みがきでは届かない歯周ポケットの内側の汚れまで除去して、きれいに歯をみがきあげる処置のことです。処置は経験を積んだ歯科衛生士が行いますので、痛みなどの心配はありません。処置後は歯がツルツルして汚れがつきにくくなるため、虫歯や歯周病の予防に効果的です。

歯周病を撃退!自分でできる予防法と対策

歯周病は、お口の中の常在菌のうちの数種類が歯を支えている骨(歯槽骨)に炎症を起こし、重篤になると骨を溶かし歯をぐらぐらにしてしまうのみならず、ひどい炎症を他部位に波及させたり、重度の口臭の原因にもなる病気です。

以前は「歯槽膿漏」と呼ばれておりましたが、現在は「歯周病」という呼び方が一般的になっています。日本は「歯周病大国」と呼ばれており、35歳以上の約8割が歯周病だと言われています。しかしながら、歯周病には自覚症状が非常に少ないため、歯周病になっている事に気づかない事が多く、自覚症状が現れた時には手遅れというのも少なくありません。原因はむし歯と同じく、プラーク(歯垢)です。
歯周病を撃退!自分でできる予防法と対策
ここまでの説明で、ひょっとしたら歯周病かもしれないと感じた方もいらっしゃるかもしれません。歯周病の可能性がある場合、どのような対策をすれば良いのでしょうか?2つのポイントをご紹介します。

1. 正しくブラッシングする
正しい歯磨きを行うと口腔内の8割~9割の菌をなくすことができると言われています。柔らかめのブラシを使い、歯と歯茎の境目を丁寧に磨くことを心がけましょう。また、歯と歯の間の隙間にはデンタルフロスを使用して、歯ブラシでは落としきれない汚れをとることも有効です。
口腔内カメラ
2. 歯科を受診する
歯周病初期は症状が軽い為、気づかぬうちに進行していたなんてことも。歯科を受診すれば歯石や歯垢を除去してもらえますし、正しい歯磨き指導を受けることもできます。歯周病レベルがかなり進行している場合は、外科的処置などで素早く対応してもらえます。

歯周病の予防のためには、1日に3回のハミガキと、デンタルフロスや歯間ブラシを使った歯間清掃が効果的です。歯のクリーニングに関する指導を歯科医院で受けたり、自宅でも使える口腔内の衛星用品を購入するといった方法もあります。

また、歯周病の予防は口腔内だけでなく、全身の健康を維持する事も大事ですので、バランスのとれた食生活や喫煙を避ける事も歯周病の予防につながります。毎日きちんとハミガキや歯間清掃をしていても、全ての歯垢を完全に取り除くのは難しく、歯垢が固くなり歯石(ざらざらとした堆積物)になってしまう事もあります。一度固くなった歯石は、歯科医院や専門的なクリーニングでないと取り除けないため、定期的に歯科医院での検診を行い、早期発見・予防する事が重要です。

2018年1月30日火曜日

歯の治療に伴う痛み・費用を抑えることができる

口腔内の汚れには、歯ブラシだけでは除去できない歯石や汚れの膜(バイオフィルム)があります。これらの汚れは、歯科医院で専門家(歯科医師、歯科衛生士)に定期的に除去してもらう必要があります。患者さん自身による毎日のケアーと専門家による定期的なケアーがうまくかみ合ってはじめて虫歯や歯周病から歯を守り、健康な口腔内をつくることができるのです。
<予防歯科を行うメリット>
虫歯や口の中の問題を未然に防ぐ
口腔内を定期的に検査することでむし歯や歯周病を未然に防ぎ、大切なご自身の歯をいつまでも健康に維持していきます。
歯の治療に伴う痛み・費用を抑えることができる
歯の痛みや症状が悪くなってから治療を行うと、状態にもよりますが治療費用や期間はかさんでしまう可能性は高いです。
口の中がスッキリします
歯や歯ぐきをクリーニングすると、口の中が爽快になり、きれいになります。歯医者さんへサロン感覚で通う患者さんもいらっしゃいます。
スケーリング
スケーリングは、石灰化した歯石や歯垢を簡単に取り除くことができる治療方法です。歯肉や歯周ポケットから歯垢や歯石などを取り除きます。保険を適応の治療なので、比較的安価に治療が行えます。

PMTC
PMTCは専門家によって行う歯のクリーニングです。具体的には歯の表面に付着したバイオフィルムや食べカスなどを器具やペーストを用いてクリーニングを行います。

ブラッシング指導
歯医者さんでの予防歯科や治療のみでは歯を守ることは難しいです。なぜならむし歯や歯周病の原因の主な原因は歯磨き不足だからです。当院では、一人ひとりの口腔内の状態や歯並びなどに合った適切なブラッシング指導を行っています。

現代の虫歯治療は、虫歯菌に侵された部分は削る以外治療方法はありません

歯は削る事によって、健康な状態よりも抵抗力が落ちてしまいます。その為に、近年、予防歯科が非常に重要視されています。また、抜歯の原因となりやすい歯周病に関しては、日本人の約80%が感染していると言われています。

プラーク(歯垢)の染め出し
汚れを効果的に落とすためには毎日の正しいブラッシングが欠かせません。プラークを染め出すとみがき残しを起こしやすい部分を確認できるので、効果的なブラッシングを身につけやすくなります。

フッ素塗布
歯の再石灰化を促し歯質を強化する効果が期待できるフッ素を歯の表面に塗布します。フッ素には虫歯菌のはたらきを抑える作用もあるので定期的なフッ素塗布が虫歯予防に有効です。
PMTC
プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングのことで歯科医師や口腔衛生のプロフェッショナルの歯科衛生士が専用機器を使って歯の汚れを徹底的に落とします。毎日のケアでは落としきれない歯と歯茎の溝や歯と歯の間のプラークや歯石を取り除きます。虫歯や歯周病予防に有効です。

噛み合わせチェック
噛み合わせが乱れていると食べかすがたまりやすくなり虫歯や歯周病の原因になります。また強く当たる部分があり過度の負荷がかかると歯周病を誘発しますので、定期的な噛み合わせチェックはお口の健康につながります。

軽度歯周病
〈症状〉
歯と歯肉の間の歯周ポケットにプラーク(歯垢)や歯石がたまり、細菌が繁殖している状態です。初期の歯周病は症状が見えにくいですが、歯肉に軽い炎症が起き、歯肉の腫れや出血が見られます。
中等度歯周病
〈症状〉
出血や口臭がひどくなり、歯石もかなり目立つ状態です。歯周菌により骨が後退しはじめ、歯周ポケットも深くなり、歯がぐらつききます。

重度歯周病
〈症状〉
化膿によって、歯肉が真っ赤に腫れてしまい、骨もかなり破壊されて後退した状態です。歯のぐらつきもかなり大きくなっています。

2018年1月29日月曜日

歯周病の進行は非常に遅いため、普段の口腔内の変化ではなかなか気がつきません

虫歯にならないよう歯を守る事も大切ですが、歯を支える歯茎もとても大切です。症例は、歯を支えている歯肉や顎の骨が、化膿したり破壊されたりする病気です。 歯周病は限度を越えてひどくなるとどんなに一生懸命に治療しても手遅れになります。治療に早すぎるという事はありません。 あまりひどくならないうちに完全に治療する事が重要です。
歯周病の進行
歯周病の進行は非常に遅いため、普段の口腔内の変化ではなかなか気がつきません。気づかないうちに歯周病は進行し、多くの人が歯槽骨が吸収して歯が動くのを感じてから初めて症状を自覚します。さらに歯周病は口腔内だけではなく、全身にも影響を及ぼすことが最近分かってきました。歯周病菌そのものは強い病原性を持っているわけではありませんが、菌が歯周炎を起こした歯肉から血液に入りやすい状態になり、全身疾患の原因になる場合があるのです。

歯科衛生士による専門治療
歯周病は、プラーク(細菌の塊)が溜まることで進行を招きます。プラーク(細菌の塊)は次第に、歯石やバイオフィルムという集合体を形成し、いったん出来てしまった歯石やバイオフィルムは歯磨きだけでは除去できません。この歯石やバイオフィルムを除去するには、歯科医院の専門器械を使った施術が必要となります。

超音波振動により歯石のみを砕き取り除きます。

手動スケーラー
名前にもあるように、スケーラーにて手動で丁寧に除去していきます。超音波スケーラーの効果は抜群ですが、歯茎の奥や歯並びの複雑な部分では、取りきれない場合があります。
そこで、その部分は、経験を積んだ歯科衛生士の手でじっくりと除去していきます。

プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング(Professional Mechanical Tooth Cleaning)の頭文字で、歯科医院で専門的に行う、お口のケアプログラムのことです。
細菌は次第にバイオフィルムという集合体を形成し、いったん出来てしまったバイオフィルムは歯磨きだけでは除去出来ません。ふだんの歯磨きでは取りきれない歯の着色・汚れを落とし、本来の白く輝く色を取り戻します。出来てしまったバイオフィルムの除去にも繋がります。それにより口臭や虫歯、歯周病の予防にも効果があります。

虫歯は、気がつかないうちに歯の内部まで進行する感染症です

虫歯の原因細菌がお口の中の糖分を利用して「酸」を作り、その酸によって歯が溶かされ、神経や歯にダメージが起きる病気です。放置しているとズキズキと激しい痛みがでるだけではなく、歯が折れたり、神経が腐ってしまいます。また、ひどい場合には歯を抜く原因になることもあります。

C0:虫歯の初期の状態
CO(経過観察)の段階であれば、しっかりした処置をすることで歯を削らずに自然治癒(再石灰化)させることができます。
C1:エナメル質が溶け歯の表面に穴があいている状態
虫歯の初期段階であるC1になると、治療が必要になりますが、虫歯を削りレジン(プラスチック)を詰め、1回の治療で終えることができます。

C2:穴が象牙質にまで拡大している状態
冷たいものを飲むことで歯に違和感を覚えるのは、C2の段階です。この段階までであれば、歯を削る量は可能な限り少なくすることができます。また、治療回数も2回程度と短期間で終えることが可能です。
C3:歯がかなり失われている状態
C2の時よりも痛みの自覚症状が強くなります。C3以降の治療は、虫歯が神経に到達しているため、神経を除去する治療が必要になります。そして、神経除去後は歯が非常にもろくなりますので、クラウンなどの「かぶせもの」を装着することになります。治療回数は5〜6回かかります。神経除去治療は肉眼では見えない手探りの根気のいる治療になります。そのため、C3以降の治療は長い治療期間をともなった治療となります。つまり、痛い治療が嫌だからといって、治療を先のばしにしていると大きな痛みと長い治療期間という、まさに患者さんにとって一番辛い状況に陥ってしまいます。

C4:歯の根しか残っていない状態
残念ながら、ここまできてしまった歯は基本的に残すことができません。しかし、周囲の骨、歯の根の状況などによっては歯を残す治療も可能となることもあります。治療回数は7〜8回程です。まずはご相談下さい。

2018年1月26日金曜日

お口のトラブルは重症化するほど、治療に時間や費用、痛みが伴います

歯科医院に通院するきっかけは、「お口にトラブルが出てから」という方が多いようです。しかし実際は、虫歯歯周病などの症状が出てからでは遅いのです。特に虫歯で天然の歯を削る処置は、歯の寿命を縮めてしまいます。虫歯や歯周病は、そのメカニズムが解明されている病気。予防歯科での適切な処置で、発症を未然に防ぐように心がけましょう。

痛くなくても歯医者に通う習慣を
虫歯や歯周病予防のために大切なのは、病原菌が住み着くプラーク(歯垢)をお口に溜めないこと。しかし、毎日のセルフケアだけでは、みがき残しをゼロにするのは難しいのです。さまざまなセルフデンタルケア方法が普及しつつありますが、いずれも、歯科医院でのプロケアと組み合わせるとさらに効果が高くなります。特に、プラークが石灰化した歯石は、ブラッシングだけでは落としきれませんので、歯科医院で専門的な処置を受けましょう。
予防歯科のメリット
お口のトラブルは重症化するほど、治療に時間や費用、痛みが伴います。これら時間的負担、金銭的負担、身体的負担を最小限に抑えるためにも、ひどくなる前の予防が肝要です。

予防歯科で行う処置は、どれも痛みを伴わないものです。PMTCなどの予防処置でお口の中から歯石やプラークを除去し、病原菌を減らすことができると、さっぱりとした感覚が手に入ります。
PMTCProfessional Mechanical Tooth Cleaning
予防歯科で行う処置の代表的なものが、歯科医院の専門家の手で専用器具を使って行われる歯のクリーニングです。毎日のセルフケアでは落としきれない汚れや、病原菌の住処であるプラーク、バイオフィルムを徹底的に除去し、ツルツルにみがき上げます。汚れの再付着も少なくなるため予防に効果的です。

定期検診の重要性
予防のカギを握るのが、虫歯や歯周病などトラブルの早期発見・早期治療。そのためには、定期的に歯の専門家にお口の中をチェックしてもらえる「定期検診」を利用しましょう。当院では、治療後のメインテナンスとしても、定期検診の受診をおすすめしています。

ご自分の歯にきちんと関心を持ち意識を高めていくことが虫歯や歯周病を予防することの第一歩です

予防歯科のメリット
ご自分の歯にきちんと関心を持ち、意識を高めていくことが、虫歯や歯周病を予防することの第一歩です。予防歯科にはさまざまなメリットがあります。

お口の中のトラブルを未然に防ぐ
メンテナンスは、歯の健康維持・病気の早期発見を実現する大事なプログラムです。からだの健康診断を受けるのと同じです。大切な歯をいつまでも健康に維持するために、定期的にチェックを受け、虫歯や歯周病といったトラブルを未然に防ぎましょう。
治療の痛みはもちろん、費用を抑える
定期的なメンテナンスでチェックを受けていれば、もしも虫歯や歯周病になってしまっても、症状がひどくなる前に発見・治療することができます。早期治療は期間も短く、費用も抑えられます。様々な負担を軽くすることができるのです。

スケーリング・SRP
スケーリングとは歯の周りについたプラークや歯石を取り除くことです。歯ブラシでは取れないプラークや歯石を丁寧に取り除きます。そしてSRPとはスケーリング&ルートプレーニングの略称で、歯周ポケットの中、いわゆる歯茎の中にできたプラークや歯石を取ることです。歯周ポケットの中の汚れは歯ブラシなどでは除去することが難しいため、特別な道具を使って汚れを除去する必要があります。
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)
歯科医院で専用器具を使って行う歯のクリーニングです。毎日のセルフケアでは落としきれない歯垢や歯石を除去できるので、虫歯や歯周病の予防に大きな効果が得られます。また、軽度の着色汚れの改善や口臭予防も期待できます。

2018年1月25日木曜日

定期検診を受けて予防することが、何にも勝るといえるでしょう。

皆様はこれまで歯科医院に通った時、あるいは行こうとした時は、どのような状況だったでしょうか?中には「最近歯科健診を受けていないから…」とか「お口のクリーニングをして欲しい」とお越しになる方もいらっしゃるかと思います。
しかし、大多数の方が「歯が痛み出した」「歯に穴があいた」「歯ぐきが腫れた」など不快な症状を持って来院されます。このような状況で来院される方は高い確率で一般的に歯科のマイナスのイメージとされる『削る・抜く・かぶせる』などの治療が必要になってきます。これらの処置は一般に痛みを取り除く、病気の進行を防ぐために行う処置でありますが、歯に対してダメージを与えてしまうことは免れません。

では、なぜ「虫歯で歯が痛い」「歯周病で歯ぐきが腫れた、グラグラする」などの症状が起きるのでしょうか?一般的に、甘いものが好き!歯が弱い!歯磨きが悪い!タバコの吸い過ぎ!などの答えが挙げられますが、要は生活習慣を含めたお口の中の環境が虫歯・歯周病をはじめとする病気を起こしやすい環境であるということ、もっと具体的に言えば、病気を起こす直接的な原因である細菌が繁殖しやすい環境であるということです。
ですから、いくら虫歯や歯周病の治療に時間とお金を費やし治したとしても、原因であるお口の中の環境が変わっていなければ必ず近い将来、同じような症状(結果)を招いてしまうということになります。歯科治療で一通りの処置が終了した後、「やれやれ、また痛くなったら…」ではなく、原因であるお口の環境を継続的に改善し、維持していくため予防・クリーニングが重要になってきます。

歯周病にならないために
「歯」を失った状態を想像してください。食べ物を噛むことができませんし、正しい発音で会話することもできません。とても不自由な生活を強いられてしまいます。そして、その最大の原因は、歯周病と言われています。歯周病はむし歯以上に自覚症状に乏しく、異変に気付いたときには症状が進行しているケースが見受けられます。しかも、大人の80%がかかるというデータもあるほど、ありふれた病気。定期検診を受けて予防することが、何にも勝るといえるでしょう。

歯科医院で予防歯科の重要性が提唱されています。

『予防歯科』とは、「悪くなってから治す」のではなく、「悪くなる前に病気の原因を発見し、早い段階で病気を防ぐ」取り組みを行なうことです。そして、最近の歯科医療業界では、この予防歯科に重きが置かれており、ほとんどの歯科医院で予防歯科の重要性が提唱されています。
虫歯を削って詰め物を入れる、痛いから神経を取る、歯がぐらついているから抜く……、このような治療を繰り返していても、歯は元の健康な状態には戻りません。歯を失うだけでなく、心身の健康を失ってしまうこともあります。そのような事態を避けるため、予防歯科では定期検診を行ない、虫歯や歯周病のチェックだけでなく、歯並び、噛み合わせ、粘膜の状態、顎の骨の状態など口の中の細かい部分まで検査します。定期的に検査することで、見落とされがちな口の病気を早期発見・早期治療できます。また、自分の口の中の状態を正しく知ることで、歯と口の健康に対する意識が高まり、積極的に予防に取り組めるという効果も期待できます。

PMTC
正しい歯磨きができていない方だけでなく、正しい歯磨きができている方でも、歯周ポケット(歯と歯肉の境目の溝)や歯と歯の間などの細かい部分の汚れを完璧に落としきることは難しいものです。そして、落としきれなかった汚れが少しずつ溜まっていき、それが虫歯や歯周病を引き起こしてしまいます。
このような細かい部分の汚れを落とすには、『PMTC』が効果的です。『PMTC』は『Professional Mechanical Tooth Cleaning』の略で、「歯科のプロによる、機器を使った歯のクリーニング」という意味です。歯科医師や歯科衛生士が、専用機器と研磨剤などを使いながら歯をクリーニングすることで、歯磨きでは落とせなかった細かい部分の汚れを、すっきりと落とすことができます。最後に研磨剤で磨き上げて歯の表面を滑らかにして、再び歯垢がつくのを防ぎ、仕上げにフッ素塗布を行なうので、虫歯や歯周病の予防効果が高まります。

軽度であれば、茶シブやたばこのヤニなどによる着色も落とせるので、ホワイトニングほどではありませんが、白くつやのある歯を取り戻すことができます。また、PMTCが終わった後は、口の中がさっぱりとし、爽快感を得られます。1回だけでも効果はありますが、永久に続くわけではないので、効果を持続させるためにも、数ヵ月に1回、定期検診のときなどに受けましょう。

2018年1月24日水曜日

歯周病は、ある日突然かかる病気ではありません

歯ぐきに炎症が起こると赤くなったり、腫れたり、出血したりします。その原因は、歯の表面に付いた細菌の集まりによるものです。この細菌の集まりをプラーク(歯垢)と呼びます。 このプラークは、歯の表面にしっかりとしがみついていて、うがいなどでは決して落ちることがありません。ですから、プラークは食べカスなどとは全く違うものなのです。 
一般的に歯石が歯周病の原因ではないかと思っておられる方が多く、歯石を定期的に除去してもらっているのに、いっこうに歯周病が良くならないと言って来られる方がたくさんおられます。実は歯石はプラークが石灰化(石のように固くなる)したもので、炎症を引き起こす病原性の点では歯石はプラークよりずっと低く、歯や歯の根の表面がざらつきやすくなるため、プラークが付きやすくなる原因となると考えられています。いくら歯石だけをとってもプラークが付くようなお口の中では、歯ぐきの炎症が改善しないのは当然です。
こんなことありませんか?
歯周病は、ある日突然かかる病気ではありません。実は10代の頃から徐々に進行していき、30代・40代になって初めて歯周病だということに気づくのです。

歯周病は歯と歯茎の境目についた歯垢の中にいる細菌によって引き起こされる病気です。細菌は、歯を支えている組織を壊していきます。痛みを伴わないため、気が付いた時にはすでに悪化した状態ということも多い、怖い病気です。生涯、自分の歯で美味しい食事を楽しむために、日頃のケアや歯医者さんでの定期検診などで、しっかりと歯周病予防をすることがとても重要です。

歯周病を予防するために
①毎日の正しい歯磨き
毎日歯を磨いているという人も多いと思いますがが、間違ったブラッシング方法ではきれいに歯垢を取り除く ことができません。歯医者さんで正しいブラッシング方法を学び、毎日実践することが大切です。
②歯科定期検診
毎日正しい歯磨きをしても、どうしても残ってしまう歯垢が歯石となります。少なくとも半年に1回は歯医者 さんで定期的に歯垢除去をしましょう。
③早めの診療
歯周病の治療は、早ければ早いほど完治する可能性が高い病気です。予防・定期検診を受け、早期治療を行う ことが重要です。自覚症状がないという方も、できるだけ早めの検診をお勧めします。

歯周病は大きく分けると歯肉炎と歯周炎に区別されます

歯肉炎
歯茎にプラークが付着すると歯肉に炎症がおこり、歯磨きなどの際に出血しやすくなります。大きな自覚症状はありませんが、健康な歯肉が「うすいピンク色で引き締まっている」のに対して、「歯肉炎」の状態は「赤みが強く丸く膨む」となっています。だけど、「歯肉炎」の状態であれば十分な歯磨きでプラーク除去を行えば、元の状態に回復することが可能なのです。
歯周炎
歯肉炎の状態を放置していると炎症が歯肉から、歯槽骨、歯根膜へと広がり歯の土台を破壊していきます。ここまで進行すると「歯周炎」という状態になり、どれだけプラークを取り除いても正常な状態まで回復出来なくなります。進行が中等度になると、歯茎から膿がでる「歯槽膿漏」状態になり、歯のぐらつきが起こります。更に重度になると、ぐらつきが大きくなって移動し、やがて抜け落ちてしまいます。一度「歯周炎」になると正常な状態にはもどりませんが、早期の歯周治療を受けることで進行を最小限に食い止め、歯周外科治療などで歯を残すことが可能となります。

早期発見・早期治療
歯肉炎のうちに症状に気づけば、ブラッシングの徹底や歯石除去のみによる短い期間での治療で済み、健康な状態に戻せます。しかし、歯周炎に悪化した場合、いったん破壊されてしまった組織はもとに戻せません。できるだけ早期に治療を行ない、これ以上状態が進行しないように食い止めること=早期発見・早期治療が大切です。歯周病のチェック項目に日頃から気を配り、歯周病の可能性を疑ったら歯科医院にご相談ください。
基本的に歯周病は細菌による感染症です。しかしながら、その発症と進行には多くのリスクファクターが関与しています。なかでも、喫煙は歯周病のもっとも重大な因子のひとつです。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、歯肉が炎症を起こしても出血しにくい状態になっています。そのため、気づかないうちに進行してしまうことが多いのです。また、白血球や歯肉を作る細胞などの機能を低下させてしまうため、歯周病の治療を行なってもなかなか回復しないのです。

2018年1月23日火曜日

歯垢を取り除く方法、それは正しい歯みがきをすることです。

歯周病にならないために、あるいは歯周病をこれ以上進行させないために、何をしたらいいのでしょうか?歯周病は現在、日本人の5人に4人以上がかかっているといわれ、歯を支える土台が溶けて歯がグラグラしてくる病気です。一種の老化現象ともいえますが、体の免疫力より歯周病菌の増殖が勝ると発症しますので、年齢を問わず注意が必要です。

歯周病は、痛みなどの自覚症状がないため、歯がぐらつき始めたと感じたときには、症状がかなり進行しています。また、歯と歯茎全体に関わる病気であることから治療が難しく、早期発見と予防が何よりも大切になってきます。
生体情報モニター
一般的には「40代以降の病気」というイメージがありますが、細菌による感染が原因ですので、若い方にも発症リスクは存在します。また、出産やほかの病気などで一時的に免疫力が低下した場合にも、注意が必要です。「自分は関係ない」と勝手に思い込まず、まずは検査を受け、発症が認められないことを確認してから、安心した生活を送ってください。

歯周病の予防方法 
歯周病にならないために、あるいは歯周病をこれ以上進行させないために、何をしたらいいのでしょうか?先ほど書きましたように、歯周病の原因は歯垢の中にいる細菌です。細菌が減れば歯周病になる可能性も低くなります。細菌を減らすには、歯垢を取り除くことが大切です。歯垢がなくなれば、歯周病だけではなく、むし歯になる可能性もグッと低くなります。(一石二鳥ですね)
歯垢を取り除く方法、それは正しい歯みがきをすることです。「え。毎日歯みがきしてますけど…。」とおっしゃる方も多いと思いますが、それでもむし歯や歯周病が減らないのはなぜだと思いますか?それは、きちんと(正しく)歯をみがけていないからに他なりません。歯をちゃんとみがこうと思うと、意外と神経を使います。 慣れの問題だと思いますが、鏡を見てじっくりゆっくりみがきながら、正しい歯みがきを体感してください。磨きあがった後の口の中は、清潔感いっぱいで本当に気持ちいいです。当院でもブラッシング指導をしていますので、ぜひ受けてみてください。
また、生活習慣を改善することも大切です。
先に書いた歯周病の原因となるものを一つずつ取り除いていってみてください。
細菌が原因だと分かっているのですから、その細菌(のかたまりである歯垢)を取り除くこと、そして、自分の体そのものを健康に保って、細菌に負けない状態にすることが大切です。歯周病をきっかけに、あなた自身の生活や健康をぜひ見直してみてくださいね。

歯周病はさまざまな全身疾患の危険因子になります

歯周病は細菌の感染により、歯茎の腫れ(歯肉炎)から始まり、進行すると歯の周りの骨が溶け出してしまう(歯周炎)、炎症性疾患です。治療しないまま病状が進行すると健康な歯が抜けおちてしまうこともあります。30代以上の成人の80%が、歯周病に感染していると言われており、身近な歯周疾患の一つです。歯周病菌を減らすことで改善させることができますので、歯ぐきが少し腫れているなど心当たりがある方は、放置せずに必ず歯科医師にご相談ください。

歯周病はさまざまな全身疾患の危険因子になります
歯肉の奥深くに生息する細菌(歯周病菌)が全身に悪影響を与えるからです。口の中には何百種類もの細菌が生息していますが、嫌気性菌である歯周病菌は毒性が高く、その菌体成分(内毒素)や産生毒素が血管や臓器にダメージを与えることがわかっています。毒素は口の粘膜から血管に入り、体の中を運ばれ、さまざまな病気(心臓病、肺炎、糖尿病、早産等)を悪化させるのです。
糖尿病
糖尿病と歯周病は関連性の高い病気です。糖尿病の患者さんは歯周病が急速に進行します。糖尿病によって体の免疫力が低下するからです。一方、歯周病の患者さんは糖尿病が悪化しやすくなります。歯周病菌がインシュリンの働きを阻害するからです。糖尿病の治療のためには、口腔と全身の両面から治療を進めるべきなのです。糖尿病の治療を行う医師が、歯周病との関連性を軽視すると十分な治療効果が得られないといわれています。また、喫煙はこの2つの病気をさらに悪化させてしまいます。

肺炎
歯周病菌が誤嚥によって気管支や肺に到達し、気管支炎や肺炎を起こします。ご高齢の方や風邪などで体調が悪い方は誤嚥性肺炎の危険性が高くなります。また、集中治療室などで人工呼吸器を装着している場合には、特に肺炎の危険性が高くなり、口腔を不潔にしていると死亡率が6倍になるといわれています。
歯周病治療の手順
ステップ0:生活習慣(食事・喫煙・ブラッシングなど)のご相談や、現状の歯ぐきの検査、記録をおこないます。その後、治療法をご説明します。
ステップ1:目に見える歯石を除去します。
ステップ2:歯と歯ぐきの間の歯石を慎重に除去します。1回におこなう処置は、26本ずつです(処置には麻酔を用いることもあります)。それから歯面を磨き上げ、汚れを付きにくくします。
ステップ3(進行している人):歯にこびり付いた歯石や汚れを徹底的に除去し、また、必要に応じてほかの部分から健康な歯ぐきを移植し、骨の再生をおこないます。
ステップ4:処置後にはメインテナンスをおこないます。歯と歯ぐきは毎日使うもの。専門家による定期的なメインテナンスが必要です。

2018年1月22日月曜日

皆さんは歯医者に行こうと思う時はどんな時ですか?

当院では、悪くなってからの治療ではなく、悪くならないためのケアをお勧めしています。
虫歯ができないように、歯周病が進行しないように、患者様と一緒に努力をしていきます。
口腔内のリスクを知るために簡単な検査を行い、歯科衛生士によるブラッシング指導、プロフェッショナルケアなどを 行います。「虫歯や歯周病を予防したい」「治療してもすぐ虫歯ができてしまう」「歯をキレイにしたい」 「口臭が気になる」などでお悩みの方は、是非ご来院ください。

予防歯科の意義
皆さんは歯医者に行こうと思う時はどんな時ですか?
一般的に風邪を引いたら内科に行き、ケガをしたら外科に行きます。
しかし、歯科領域において症状(痛みや腫れ)がでてから歯科に受診をしても手遅れの場合が多いのです。
日頃から予防に心がけ定期的に健診を受けていれば、仮に虫歯になってしまったとしても治療時間、日数の軽減がきるなどリスクを最小限に抑えることが可能です。
予防歯科の方法
1.虫歯や歯周病の検査
虫歯や歯周病にかかっていないかを検査して異常がある場合は、まずは虫歯や歯周病の治療から行い、それから予防歯科治療を行います。

2.唾液検査
患者様それぞれで虫歯にかかりやすいのかなどを調べるため唾液検査をして効率の良い予防歯科治療をご提案いたします。

3.PMTC
歯科衛生士が高度なスキルで歯みがきではとれない蓄積しがちな歯垢や着色汚れ、細菌(バイオフィルム)を取り除きます。
4.フッ素塗布
フッ素には虫歯菌が出す「酸」に負けない強い歯にする効果があります。
定期的にフッ素塗布をすることで歯の表面を強く保ち虫歯になる可能性をグッと下げることができます。

5.ブラッシング指導
ご自宅でもしっかりとケアができるように歯の磨き方をお教えいたします。
年齢や歯の生え方などによって、人それぞれに正しい歯磨きのやり方が違うので、自己流の歯みがきでは磨き残しをしてしまいがちになっていることが多いです。
普段から虫歯予防できるよう、正しい磨き方を身につけましょう。