2018年1月19日金曜日

基本的に歯周病は細菌による感染症です

歯周病とは虫歯のように歯そのものに起こる病気ではなく、その周りで支える歯ぐきや骨に起こる病気で、歯を失ってしまう1番の原因とされています。
歯の周りに付く汚れである歯垢(プラーク)の中にいる細菌が、歯と歯ぐきの境い目(歯周ポケット)から侵入し、毒素を出して歯ぐきに炎症を引き起こし、さらには歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしてグラグラにさせてしまいます。虫歯とは異なり、初期~中期の段階ではほとんど自覚症状がないため、気付かないうちに進行し、歯ぐきの腫れや出血、歯の動揺などを起こした後、ついには自然に抜け落ちてしまうくらい重症になることもあります。1度進行してしまった場合は治療により進行を止めることはできますが、高血圧症や糖尿病のように元の状態に戻すことはできないので、専門的な検査による早期発見・早期治療が重要になりますし、その後の適切なセルフケアや定期的な検診を受けていくことによって進行の予防をしていくことがとても大切になります。

基本的に歯周病は細菌による感染症です。しかしながら、その発症と進行には多くのリスクファクターが関与しています。なかでも、喫煙は歯周病のもっとも重大な因子のひとつです。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、歯肉が炎症を起こしても出血しにくい状態になっています。そのため、気づかないうちに進行してしまうことが多いのです。また、白血球や歯肉を作る細胞などの機能を低下させてしまうため、歯周病の治療を行なってもなかなか回復しないのです。

喫煙による健康被害
喫煙量が110本以上になると歯周病になる危険率が約5.7倍に跳ね上がると報告されています。これは、タバコの煙に含まれるヤニ(タール)が虫歯菌を吸着するためです。また、タバコに含まれるニコチンが、歯周病を予防する働きがある唾液の分泌量を落としてしまうことも原因のひとつとされています。これによって口の中が渇くため、口臭の悪化にもつながります。そのほかにも、タバコはさまざまな健康被害をもたらします。ヤニは歯肉や歯に付着して黄色っぽくし、進行すると黒ずんでしまいます。ヤニは粘着性が高いので、簡単に汚れを落とすことはできません。さらに、タバコを吸い続けることで口腔、咽頭がんの発生率が上がるともいわれ、喫煙によるリスクは広範囲にあるといえます。

歯周基本治療
精密検査の結果をもとに、可能な限りプラークを口腔内から取り除きます。この処置の基本は、ご自身での清掃になります。歯ブラシや歯間ブラシ、フロスの使い方をご説明させていただきます。セルフケアでは対処しきれない歯ぐきの中の歯の根に付着したプラークを、トレーニングを受けた歯科衛生士が除去、歯周病の治癒を促します。

積極的歯周治療
歯周病が進行すると、基本治療のみでプラークを除去できないことがあります。また、除去できたとしても再度プラークが形成されやすい環境が残る場合があります。
この様なときには、積極的にそれらの問題を解決するため、外科処置が必要となることがあります。

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