2019年9月25日水曜日

歯の型取りをして作るタイプの詰め物を「インレー」といい、数種類あります

虫歯の原因
お口の中には多くの細菌が存在し、これを口腔常在菌といいます。この中で虫歯を引き起こす最も重要な菌はストレプトコッカス・ミュータンスといいます。これらの細菌の量や種類により虫歯の進行速度は変わります。

歯垢(プラーク)が付着しやすいのは、臼歯の咬合面の溝や、全ての歯の歯肉縁、歯科修復材料と歯の境において最も顕著です。虫歯の原因となる細菌はプラークから乳酸等の酸を産生します。酸が大量に作られるとお口の中のpHは酸性に傾き歯を溶かし始めます(脱灰)。しかし唾液の作用によって数十分もすればアルカリ性に戻り溶けた歯を修復する働きが起きます(再石灰化)。毎日のお食事の度にこうした脱灰と再石灰化がお口の中では起きています。
虫歯の発生はこのお口の中で起きる歯を溶かす働きと歯を修復する働きのバランスが崩れたときに起きるのです。歯の最表面をエナメル質といい、この部分が溶けはじめた初期の段階では、エナメル質に抵抗性があることや、歯が再石灰化するため、エナメル質表層は溶けず、その下から溶け始める。
これをエナメル質の表層下脱灰といい、この段階が初期の虫歯です。この段階では、まだ、再石灰化により、歯が元に戻る可能性がありますので削る治療はせずプラークコントロールやフッ素塗布などを行います。エナメル質を超えて虫歯が進行してしまった場合には歯を削り虫歯を取り除く治療が必要となってきます。

詰め物での虫歯治療
虫歯が比較的小さい段階では、昔のように型取りはせず、虫歯だけ削って、「コンポジットレジン」という樹脂製の白い材料を歯につけて修復する事が可能です。歯の侵襲を最小限に抑える事が出来るため、優れた治療法ですが、虫歯が大きくなると、コンポジットレジンでは強度的に不十分なため、型取りが必要となります。またコンポジットレジンはお口の中で成形しなければいけないので、あまりに複雑な形の場合も型取りが必要となります。歯の型取りをして作るタイプの詰め物を「インレー」といい、数種類あります。
保険外治療でのインレー(セラミックインレー)
オールセラミックインレー
保険の金属に比べるとアレルギーの心配はありません。また歯と同じような色で作ることができるので銀歯に比べて目立ちません。材質はセラミック100%ですので汚れや傷が非常につきにくく、経年的な劣化が少ないのが特徴です。セラミックは歯に強く接着させる事が可能なため、インレーと歯との隙間のセメントが劣化し、間から虫歯になるリスクも下げる事が出来ます。ただし金属に比べると割れるリスクがありますので、担当医と相談して決めるようにして下さい。

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