2020年10月9日金曜日

歯周病は世界で最も多い感染症です

 今や歯を失う1番の原因は虫歯ではなく歯周病になっています。さらには心疾患や糖尿病、早産や低体重児などに関わっていると言われており、お口の健康にだけでなく全身の健康に悪影響を与えるということがわかってきています。厚生労働省の歯科疾患実態調査(2018年)では歯周ポケットが4mm以上(中程度以上の歯周病)の方は、50代の約半数に達すると報告されています。

 エアータービン

歯周病は人類史上最も多い感染症として2001年にギネスブックにも認定されています。ご存知ない方も多いかもしれませんが、歯周病とは細菌による感染症です。ですので、いかに普段からご自身のブラッシングで細菌の塊である歯垢(プラーク)が除去できているのか、また、歯垢と唾液中のカルシウムが結合した硬い歯石の除去を定期的に受けてみえるのかが重要になります。

 

また歯周病は生活習慣病の一つと言われており、高血圧や糖尿病のように自覚症状がない疾患「静かな疾患(サイレントディジーズ)」と呼ばれています。ですので痛みや腫れ、違和感や出血などの自覚症状がなくても定期的に歯科医院でメンテナンスなどのケアとチェックを受ける必要があるのです。

 

丁寧な処置で、歯周病を改善します

歯周病の原因となる細菌は、プラーク(歯垢)や歯石に住み着いています。この菌が出す毒素によって、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の隙間)に炎症が起こり、歯を支えている骨が溶けてしまうのが歯周病です。

 歯科口腔内カメラ

歯周病の治療には、基本的に「SC」「SRP」を行います。SCとは「スケーリング」の略で、主に細かい振動で歯を削らずに歯石のみを粉砕除去します。SRPとは「スケーリング・ルートプレーニング」の略で、手用スケーラーなどの専用の器具を使い、歯に付着した歯石を徹底的に取り除く治療方法のことです。歯石を除去することで、歯周病の進行を止め、お口の状態の改善を図ります。しかし、歯周ポケットの奥深くまで炎症が進むと、SRPでは対処できないことがあります。そうなると、歯ぐきを切開するなど外科的な処置の併用が必要となることもあり、治療の際の体への負担が大きくなってしまうこともあります。

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