2017年3月9日木曜日

基本的な歯周病の原因

最近では「お口の健康は全身の健康の源」と言われ、一般の方々の間でも、お口の健康への関心が高まっています。特に、むし歯や歯周病など歯科領域の症状や治療が身体にも影響を与えることや、逆に身体の変化や症状がお口の中に及ぼす影響について関心が寄せられています。
その中でも、生活習慣病の一つである歯周病が身体に及ぼす影響としては、心臓・循環器疾患や糖尿病といった他の生活習慣病に深く関わっていることが明らかになってきました。つまり、歯周病を予防し、治療後は適切に管理して再発を未然に防ぐことが、身体全体の健康維持につながることになるのです。いつまでも元気に年を重ねていくためにも、歯周病と身体の関係について理解を深めていただき、健口(健康)を維持していきましょう。現在、成人の約8割が歯周病に罹っていると報告されています。国民病ともいえる、歯周病の正しい知識を持つことが大切です。

成人だけではなく若年者にも多くみられる国民病
歯周病は、歯肉・歯根膜・セメント質・歯槽骨で構成される歯周組織(下図参照)が、お口の中の細菌感染によって破壊される慢性炎症性疾患。歯を失う最も大きな原因となっています。厚生労働省が行なった調査では、成人(3064歳)の約8割が歯周病に罹っているという結果がみられました。また、同調査から、成人だけではなく若年者も多く罹患していることがわかりました。さらには、小・中学校の学校歯科健診において歯周病と判定される児童や生徒が増えているという報告もあります。このような現実から、歯周病は私たち日本人の国民病とまで言われているのです。
歯周病の原因はプラーク(歯垢)です。プラークは歯を磨かないでいると、ねばねばくっついてくるものです。これは単に食べかすが溶けたものではなく、70%は細菌の塊です。細菌やその毒素によって歯ぐきに炎症が起き、その結果として出血、膿、腫れなどになります。歯周病の原因となる細菌は単独の種類ではなく、いくつかの種類が共同で巣をつくっています。巣はネバネバしたタンパク質の膜で覆われています。このタンパク質の膜をバイオフィルムと呼びます。

歯周病の原因となる細菌は単独の種類ではなく、いくつかの種類が共同で巣をつくっています。巣はネバネバしたタンパク質の膜で覆われています。このタンパク質の膜をバイオフィルムと呼びます。

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