2017年5月31日水曜日

歯周病とは、歯と歯茎の間に細菌が溜まり、細菌に感染した歯茎が赤く腫れたり、血や膿が出やすくなる病気です

歯周組織の構造はおわかりいただけたと思いますので、歯周病がどのような病気なのかについて話を進めます。まずは原因について。
プラーク(歯垢)が大敵
最近では、プラークや歯垢〈しこう〉という語句は、それらが虫歯や歯周病の原因であるということとともに、よく知られているようです。プラークとは、無数の細菌とその細菌が出す産生物がくっついて塊になったものです。プラークは、歯の表面や歯と歯の間、歯と歯肉の間にこびりつき――健康な人でも、歯と歯肉の間には歯肉溝〈しにくこう〉と呼ばれるわずかな隙間があります――、周囲の組織に刺激を与え炎症を起こします。
特に、歯肉溝についたプラークには嫌気性〈けんきせい〉細菌(酸素のないところを好む細菌)が多く、歯冠にできるプラークに比べて毒性の強い産生物を作り、また、より酸素の少ない歯肉溝の奥へ奥へと侵入しようとします。そのため歯肉溝が拡大し、歯周ポケットが作られます。

歯周病とは、歯と歯茎の間に細菌が溜まり、細菌に感染した歯茎が赤く腫れたり、血や膿が出やすくなる病気です。この血や膿が口臭の原因となっているのです。歯周病による口臭は、歯周病を治療することで改善します。
歯周病にかかる原因は主に歯の手入れ不足。老化とともに歯周病になりやすくなると言われていますが、それは唾液の分泌量が減って細菌が繁殖しやすくなるからです。しかし年齢に関係なく、ブラッシングをはじめとした日々の手入れを欠かさなければ、歯周病は防げる病気なのです。
すでにかかってしまった歯周病の治療法は、その進行度によって変わります。
(1)毎日のブラッシング(プラークコントロール)
まだ初期段階の歯周病であれば、正しいブラッシングを毎日行うことで改善を期待できるでしょう。プラーク(歯垢)の量を減らしコントロールすることからプラークコントロールとも呼ばれます。
(2)歯石を除去する(スケーリング)
ブラッシングで取り除くことができなかったプラーク(歯垢)はしだいに硬化して、歯石へと変化していきます。歯石の段階となるとブラッシングで取り除くことはなかなかできません。
歯医者で器械を使い、歯石を取ることをスケーリングと言います。歯石には小さな空洞がたくさんあり、そこにまた汚れが溜まってしまい、雑菌の増殖へと繋がります。
(3)歯根の表面を滑沢にする(ルートプレーニング)
スケーリングをして歯石を除去してから、さらに歯根の奥の方に汚れが溜まっているときには、ルートプレーニングを行います。奥の汚れを除去してから歯根の面を滑沢に仕上げるのです。
歯根の汚れを除去しても、表面がざらついていればまたプラークが付いてしまい根本的な解決になりません。そのため汚れを落とした後に歯根の表面を平らにして、再度プラークが付きにくくするルートプレーニングが効果的なのです。

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