2017年5月4日木曜日

歯周病は、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患

軽い症状を含めると、40歳以上の方の約8割が歯周病にかかっていると言われます。歯周病は、歯と歯肉の間に溜まる歯垢(プラーク:細菌の塊)によって発症します。
初期の症状を「歯肉炎」と言い、症状はほとんど無く、ブラッシング時に出血がある程度です。しかし、放っておくと「歯周炎」に移行します。歯周炎になると、歯肉が腫れたり、膿が出たりするようになります。やがて歯槽骨(しそうこつ:顎の骨のうちの、歯を支える土台となる骨)が溶けてきて、歯が動くようになり、最終的には健康な歯なのに、抜かなければならなくなったりします。
歯周病は、日本人が歯を失う最大の原因であり、初期の段階では自覚症状がほとんど無いので、気づかない人が多いものです。歯磨きが不十分なために、歯と歯肉の間に細菌が棲みついてプラークが溜まると、そこに炎症が生じます。これが歯周病の始まりです。初期段階では自覚症状はほとんどありません。プラークが石灰化して歯石になると、通常のブラッシングでは取り除けなくなり、歯周病は悪化します。
歯と歯肉が付着しているすき間に「歯周ポケット」ができて、さらに炎症が歯肉の内部まで進行すると、膿が出たり、歯肉溝が深くなったりしていきます。やがて歯根膜(しこんまく:歯と歯槽骨を繋いでいる組織)や歯槽骨が破壊され、歯を固定する力が次第に弱くなって、歯はグラついてきます。このままの状態を放置すると、ついには歯を失うことになります。
歯周病が進行すると、歯を支えている骨が溶かされてしまいますが、 残念ながら骨は元には戻りません。ですが、炎症をおさえ進行を抑制することができます。そのため、定期的なプロケアと、ご家庭でのセルフケアが大切です。
歯周病とたばこ
喫煙の習慣があると、歯周病が発症・進行するリスクは29倍に高まることがわかっています。理由としては、ニコチンやタールの作用によって、血管が収縮して歯肉への血液の流れが悪くなることや、細菌と戦う白血球の働きが減退するなどがあります。従って、たばこを止めなければ、歯周病の治療を受けても効果が得られにくい場合があります。

PMTCとは歯周病や虫歯予防のための歯科衛生士等のプロが行うクリーニングのことです。虫歯や歯周病などの再発を防いだり、悪くなる前の予防に非常に効果的があります。
日頃のブラッシングや歯石除去だけでは取りきれない汚れや細菌のバリア(バイオフィルムといいます)を専用の機械や研磨剤を使用して取り除くプロによるお口全体の清掃法です。 同時にタバコや茶渋などの葉の着色や汚れを取り、歯を磨き上げます。PMTCは痛くはなく、むしろ気持ちのいいものです。ぜひ虫歯や歯周病予防のために、とも歯科クリニックのPMTCを受診ください。

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