2019年2月27日水曜日

歯周病は日本の成人の10人中、7~8人がかかっている、もしくは予備軍であると言われている病気です。

にもかかわらず、この事実があまり知られていないのは、「歯周病にかかっていること」を認知していない人が多いからでしょう。歯周病は初期の自覚症状に乏しい病気です。知らぬ間に感染して、症状に気づいた頃にはかなり重症になっていることも珍しくありません。具体的な症状としては、まず歯ぐきに炎症が起きて血が出たり、膿が出たり、口臭がひどくなったりします。さらに進行すると、歯を支えている顎の骨が溶かされていき、最終的には歯が抜け落ちてしまいます。

歯周病の直接的な原因はプラーク(歯垢)です。つまり、歯周病を予防するための基本的な対策は日々のブラッシングになりますが、それだけでは不十分。特に異変を感じなくても定期的に歯科医院に通ってメインテナンスを受けることが重要です。
「歯周病かもしれない……」と感じても、「どんな治療をされるんだろう……」といった不安から歯科医院に通うのをためらっている方がいらっしゃいます。しかし、治療に取り組むのが遅れれば遅れるほど、治療の負担は大きなものになっていきます。少しでも異変を感じたら、できるだけ早めに歯科医院に行くことが大切です。
歯周病治療は、まず綿密な診査を行って歯周病の実態をつかみ、原因を除去していく「原因除去療法」が基本です。初診時は、プラークの付着状態や歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の溝)の深さ、顎の骨が溶かされている程度、歯ぐきの炎症状態などを診査します。診査結果をもとに治療内容をご説明し、患者様の理解と同意が得られたら治療を開始します。

「ケア」の役割分担
予防するためのケアには、歯科医院で行なう「プロフェッショナルケア」と、歯科医師や歯科衛生士の指導にもとづき患者さまご自身が実践していただく「セルフケア」の両方で予防歯科を実践していくことが重要です。
予防歯科を成功させるためには、こうした歯科医院と患者さまの行なう「ケア」の範囲を把握し、それぞれの役割を実践していくことが大切です。
なかでも日々の生活の中で多くの割合を占める「セルフケア」が重要なカギを握ります。
セルフケア
歯科医師・歯科衛生士による指導を受け、磨き残しの場所があればその場所を把握して、ご自身の口腔内にあった適切な器具・方法でケアを行なうことが大切です。ご家庭できるセルフケアといえば、まず歯ブラシによるブラッシングです。歯科医師の指導で適切なブラッシング方法を習得し、口の中を清潔に保ちましょう。一方で、歯間や歯と歯肉の間など、歯ブラシが届きづらい場所も存在します。そうした部位に使用するデンタルフロスや歯間ブラシなど、補助的清掃機具もご紹介いたします。

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