2019年2月21日木曜日

炎症が進行すると、歯を支えている歯槽骨や歯根膜などが破壊される歯周炎が起こります

虫歯や歯周病は、口の中の細菌が悪さをする病気ということを今までお話しをしてきましたが、その歯周病菌が身体のあちこちで悪さをすることがあることをご存知ですか?つまり、歯周病菌は唾液や呼吸を介して肺に入り込み、また歯ぐきの中の毛細血管を介して体に入り込み至る所で悪さをするのです。

さてどのように悪さをするのでしょうか?別表に示すように歯周病菌が肺に入り込めば肺炎(誤嚥性肺炎)の原因になります。言うまでもなく肺炎は日本人の死因第4位の病気(内97%は高齢者)です。また、歯周病菌は心臓や血管内で血栓を作り易くし、心筋梗塞や脳梗塞の原因にもなります。

日本人の死因の第2位は心疾患、第3位は脳血管疾患です。さらに、歯周病は糖尿病の関わりにおいて、インシュリンの働きを妨げ血糖のコントロールを困難にしたり、妊婦においては歯周病菌が子宮内で陣痛を促進させる働きをし早産(低体重出産)の原因にもなります。
つまり、歯周病は、呼吸器系疾患・心臓-血管系疾患・糖尿病・低体重出産などのさまざまな全身疾患の発症・進行などに関係しているのです。また、糖尿病や腎疾患などの基礎疾患があると、免疫力の低下により歯周病や呼吸器系疾患などの感染症にかかりやすくなったり、傷が治りにくいことにより病気が重症化しやすくなるのです(病気の悪循環)。
以上のように、結果として歯周病がもとで死に至るケースも稀ではなく、身体の健康のためにはお口のケアも大切だということがわかって頂けたと思います。さぁ、皆さん歯周病予防のためだけでなく、全身疾患予防のためにも日々歯磨きを丁寧に行いましょう。

歯肉炎
歯肉炎とは、プラークによって歯ぐきに炎症が起こり、腫れている状態のことをいいます。進行すると、歯と歯ぐきの隙間が深くなっていき、そこに歯周ポケットという溝ができてしまいます。すると、その中に歯周病菌が増殖し、炎症が進んでいきます。
歯周炎
炎症が進行すると、歯を支えている歯槽骨や歯根膜などが破壊される歯周炎が起こります。さらに重症化すると、歯を支えている歯槽骨が溶け出して、わずかな力が伝わるだけで歯が抜け落ちることもあります。歯周炎が進行してしまうと、歯ぐきが下がり、虫歯になりやすい歯の根元の部分が露出します。歯周病になった場合は、あわせて虫歯にも注意しましょう。

歯周病を予防するには、原因を知ることが大切です。日々の生活習慣の改善やプラークコントロールが効果的な歯周病の予防法です。 

歯周病の原因、プラーク(歯垢)はプラークコントロール(プラークを取り除くこと)、つまり、毎日の歯みがきによって予防できます。 歯周病には生活習慣にひそむ色々なリスクファクターが関係しています。生活習慣を改善して、リスクファクターをとりのぞき体の抵抗力を高めることも歯周病の予防にとって重要なのです。

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