2019年3月25日月曜日

歯科で定期的な検診を受けてプラークコントロール

大人のむし歯が増えている 治療済みの歯にも注意
 糖質を含んだ食べ物が歯と歯のあいだに挟まり、歯磨きできちんと除去されないと、歯垢と呼ばれる粘ついた沈着物が生成される。
 歯垢に含まれるむし歯菌(う触原性細菌)が糖質から歯のエナメル質を浸食する酸をつくりだす。これがむし歯の原因だ。
 日本でも厚生労働省の調査によると、55歳以上の人でむし歯をもつ人の割合が年々増えている。歳をとるとだ液腺の機能が低下し、だ液の量が減少することで口腔内の自浄作用が減り、むし歯菌が住みつきやすくなる。
 大人のむし歯は、新たに起こるものより、むしろ治療済みの歯に起こるものが多いので注意が必要だ。むし歯は「かぶせ物などの境目」や「露出した歯の根元」に起きやすい。
 むし歯の治療によるかぶせ物や詰め物は、噛む力が繰り返し加わると、歯を接着するセメントが劣化し隙間ができる。その隙間に細菌の塊であるプラークが付着して、内側でむし歯が進行する。
歯ブラシによるブラッシングや電動歯ブラシは効果的
 自分でできる口の中のケアの代表は歯ブラシによるブラッシングだ。歯垢や食べカスを取り除き、口の中を清潔にすれば口臭を効果的に予防できる。

 歯の表面がきれいに見え痛みも感じないと、異常に気づくのが遅れがちだ。また、加齢、歯周病、強いブラッシングなどによって歯肉が下がり歯の根元が露出すると、そこにむし歯菌が付着してむし歯が起こる。
 
11本の歯を意識して丁寧に磨くことがポイントで、1本につき歯ブラシを20~30回程度小刻みに動かしながら磨けば、歯垢を落とすことができる。歯ブラシの毛先を歯にしっかり当て、歯と歯の間に毛先が入るくらいの力で磨こう。
 
最近は電動歯ブラシも普及しており、より丁寧に磨きたい人、利き手の関係で左右の磨き方に差がでてしまう人、手先を動かすのが苦手な人などに特に効果的だ。
歯科で定期的な検診を受けてプラークコントロール
 
歯周病とは歯の周りの組織である歯肉や歯を支える歯槽骨に起こる疾患で、「歯周病原細菌」という常在菌が原因だ。免疫力が低下してくると歯周病菌が増え、歯周病を発症する原因となる。
 
歯周病の予防や治療では、毎日の歯磨きによって歯や歯肉の表面に付着したプラーク(歯垢)を取り除くことが大切だ。本人はしっかり歯磨きをしているつもりでも、きちんと磨けていないことがよくある。
 歯科で定期的な検診を受け、プラークコントロールがきちんとできているかどうかをチェックすることが歯の寿命を延ばすことにつながる。
定期検査では、視診やエックス線検査による「むし歯の検査」、歯周ポケットの測定や歯石のチェックなどの「歯周病の検査」、「歯石の除去」などが行われる。歯石は、歯垢が堅くなったもので、歯磨きでは除去できないため歯科で取り除く必要がある。
 また、歯科では専門家による徹底した口腔清掃(PMTC)や、歯磨剤よりも高い濃度のフッ化物を歯に直接塗る治療や、フッ化物の入った溶液で洗口する治療などを受けられる。

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