2018年12月22日土曜日

歯は歯槽骨という顎の骨に埋まっており、歯と歯槽骨は歯根膜という繊維でつながっています

歯周病(=歯槽膿漏)とは歯を支えている組織に起こる病気です。
虫歯とともに口腔の二大疾患と呼ばれ、痛みなどの自覚症状が少ないため、症状の進行に気づきにくいのが特徴です。歯周病が進むと、歯が抜けてしまうことも少なくありません。成人では、歯を失う最も大きな原因は虫歯ではなく歯周病なのです。

健康な歯の状態
歯は歯槽骨という顎の骨に埋まっており、歯と歯槽骨は歯根膜という繊維でつながっています。歯肉は歯槽骨をおおって保護しています。
歯肉炎
歯の周りに食べかすなどが残っていると、歯周病菌が繁殖し歯垢(プラーク)となります。歯垢は黄白色でねばねばと歯に付着しています。歯垢の中の歯周病菌は毒素を出し、歯肉に炎症を起こします。この時期の症状は、歯肉の違和感や歯磨きのときの出血などです。歯垢は歯磨きで取れるので、歯磨きを丁寧にすると健康な歯肉に戻ります。

初期の歯周病
進行すると、歯を支えている歯根膜に炎症がひろがり歯槽骨が溶け出してきます。歯垢は硬い歯石になります。歯石は歯垢が石灰化したもので、歯ブラシでは取れません。歯肉が腫れて充血し、より出血しやすくなります。また、体調が悪いと腫れて痛むことがあります。口臭が感じられるようになってきます。

重度の歯周病
重症化するとさらに歯槽骨が溶け、歯がぐらぐらし始めます。歯石は根の深くまで付着し、より硬くなります。歯肉が腫れやすくなり、硬いものをかむと痛くなることがあります。

歯周ポケットとは
歯周ポケットとは歯(歯根)と歯肉の間にできる溝のことをいいます。健康な歯肉は歯と歯肉がぴったりと密着しているので溝が浅いのですが、歯周病が進むと歯肉は腫れ歯周ポケットは深くなっていきます。検診の際には歯周ポケットを測定し、歯周病の進行度を測定します。また、歯周病の治療後は、回復の程度の目安となります。
歯周基本治療
歯周病の原因の一つである歯垢を取り除くため、歯みがきの練習を行い、歯石のクリーニングの徹底や、かみ合わせの治療、古いかぶせものの交換などを行います。歯垢や歯石を取り除き、歯みがきのしやすい環境を整えていきます。

歯周外科治療
歯周基本治療をしても、4mm以上の深い歯周ポケットが残っている場合や歯肉の腫れを繰り返す場合は、歯周外科による治療を行います。手術を行うと歯周ポケットが改善し、腫れにくくなって、歯のぐらつきが改善されます。

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