2018年12月4日火曜日

歯肉炎は歯ぐきだけの炎症。しかしそれが進行した歯周炎は歯の土台が破壊されるこわい病気です

歯周病は「沈黙の病気」とも呼ばれています。
自覚症状がなく、痛みを伴わずゆっくりと進行し、 歯を支える骨が溶けてしまう病気 です。 ときには一時的に歯ぐきが腫れや違和感を感じるものの、放っておくとまたその症状が治まるという経過を繰り返しながら、歯を支える組織が破壊されていきます。 進行すると歯がぐらぐらしてきて、ついには歯を失ってしまうやっかいな病気です。

歯周病により骨が溶けだしても痛くもかゆくもありません。はっきりと不快なサインがあるなら、誰でもすすんでその対策をとるでしょう。 ところが歯周病の場合には、かなり悪くならなければ、目立った自覚症状はありません。 かかり始めは、指でゆすって歯が揺れることもありません。
噛みしめたときに歯が揺れる、または痛くなったり、歯ぐきから膿が出るといった自覚症状があるようだと、もう重症です。 これが歯周病のこわさです。 定期的に歯医者さん(歯科医院)で メンテナンス を受けている人はいいのですが、そうでない人は重症になってはじめて歯周病に気づいて治療を始めるのが現状です。 日本では、成人の4人に3人はなんらかの症状があると言われています。

身体の抵抗力が強いときは歯周病の進行は一時的にゆっくりになります 静止期)。 一種の休火山状態で、なおったわけではありません。 身体の抵抗力が弱まり歯周病菌の力が強くなると、火山が噴火するように突然進行します (活動期)。 このようにして歯を支える組織は時間の経過とともに階段状になくなっていきます。 
ほとんどの患者さんは、この活動期(急性期)に症状を自覚し、悪くなって来院したときから歯周病の治療をはじめているのが現状です。 このような活動期(急性期)では、歯医者さん(歯科医院)では、腫れた歯ぐきにメスで切り膿を外にだしたり、消毒などして応急処置をしてくれるでしょう。 膿が出てしまうと痛みは消えるのです。しかしこれで歯周病がよくなったと思ったら大間違いです。
歯肉炎は歯ぐきだけの炎症。しかしそれが進行した歯周炎は歯の土台が破壊されるこわい病気です。 歯の土台が破壊され一度進行してしまうと回復が難しい病気です。 歯周病の治療はかかり始めが簡単です。 ほんの1~2か所に深めの歯周ポケットを見つけたときが、歯周病を治療するチャンスです。 歯周病はひどくなってから治すことは難しいけれども、かからないようにすることは、難しくない病気です。 治療の仕方を「治すこと」から 「悪くならないようにすること」 へ方向転換すれば泥沼に入り込むことはないでしょう。

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