2018年2月6日火曜日

日本人にもっとも多い病気、それは歯周病かもしれません。

厚生労働省の「歯科疾患実態調査」によると、歯周病は2534歳の若い世代ですでに約80%4554歳の中年層では88%もの人にその兆候がみられます。これほど歯周病の人が多いのに、それがどんな病気なのかはあまり知られていません。これは歯周病が初期には痛みもなく、歯肉(歯茎)がちょっとはれたり、歯磨きのときに少し出血する程度なので、そのまま放置している人がほとんどだからでしょう。
歯周病は、歯をささえる歯肉やその周辺組織が炎症を起こし、悪化すると歯槽骨が溶け、歯を失うことにもなる病気です。その原因となるのが、しこう歯垢(プラーク)です。歯垢というと、食べカスのことだと思っている人が多いのですが、実は歯周病菌という細菌のかたまりなのです歯垢がたまると、歯周病菌の酵素や毒素によってまず歯肉が炎症を起こします(歯肉炎の段階)。次いで歯と歯肉のすきま(歯周ポケット)に歯周病菌が増殖し、炎症が歯根膜や歯槽骨にまで及びます(歯周炎の段階)。この状態を放っておくと、歯がぐらつき、やがて抜け落ちてしまいます。歯を失うのは虫歯のためと思われがちですが、最大の理由は歯周病です。

歯周病と関連の深い生活習慣
喫煙
たばこには多くの有害物質が含まれることはみなさんご存知でしょう。その有害物質は歯茎にも悪影響を及ぼします。喫煙者と、非喫煙者では、歯周病の罹患率、進行速度に大きな差があります。また、長年喫煙をしていると、歯茎はかたく、血行が悪い状態になってしまいます。そうすると、歯周病の初期症状である、歯肉からの出血や歯肉の腫れと言った症状が出ないため、歯周病にかかっていても自覚症状が全くないということもあります。
疲労、ストレス
過度の疲労やストレスは、自律神経の不調を引き起こし、唾液分泌を低下させます。
唾液の分泌低下は、口腔内の自浄作用を下げるため、歯周病菌の繁殖しやすい状況になってしまいます。また、疲労やストレスで身体の抵抗力が落ちていると、歯周病が急激に進行したり、発症の原因となります。

歯科医院での定期メンテナンス
毎日どんなに歯磨きを頑張っていても自宅での歯磨きだけでは、歯と歯の間や、歯と歯茎の境目には汚れが残ってしまいます。また、プラークは時間がたつと唾液の力で、かたい歯石になってしまいます。歯石は歯ブラシでは取ることができないため、歯科で専用の器具を使って除去する必要があります。歯石はそのままにしておくと、その上に汚れが付きやすい、歯石の下で歯周病菌が繁殖しやすいなどの問題があります。歯科医院で定期的にクリーニングなどのメンテナンスを行うことが歯周病予防には必要です。

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