2017年6月20日火曜日

最終的にはそのまま抜け落ちてしまうことがあります

現在、日本の成人の80%以上が歯周病にかかっていると言われており、歯を失う一番の原因であるとされています。歯周病になって症状が進行すると、歯茎が腫れたりするほか、歯槽骨(歯を支える骨)が溶けたりしますが、その結果、歯がぐらぐらと動くようになり、最終的にはそのまま抜け落ちてしまうことがあります。
スケーリング
スケーラーと呼ばれる器具を使用して歯や歯の根に付着したプラークや歯石を除去する治療を「スケーリング」と言います。歯石は、唾液に含まれるカルシウムと口腔内の付着物などが石灰化したものであり、歯周病菌をはじめ多くの細菌の温床でもあります。これをスケーリングによって除去することで、歯周病の発生を防ぐのです。施術後しばらくは歯間に隙間ができたり、歯が長くなったように感じますが、今まで付いていた歯石が取れた証拠ですのでご安心ください。
ルートプレーニング
スケーリング終了後に、歯茎に隠れた部分までをキレイに歯石除去し、歯や根の表面を滑らかにする治療を「ルートプレーニング」と言います。プラークや歯石は、歯茎に隠れた目に見えない部分にも溜まるもの。歯根(ルート)面に付いたプラークや歯石、死んでしまったセメント質などを特殊な器具で除去して表面をツルツルにし、再び汚れや細菌が付かないようにします。
歯周病のリスクファクターは歯の汚れだけではありません。そのひとつがたばこです。
ある統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなります。ではどうしてたばこが歯周病を悪化させてしまうのでしょうか。
たばこに含まれるニコチンや煙に含まれる一酸化炭素の作用により、
歯周病菌と戦う白血球の機能が低下してしまう
血管が収縮して歯茎に十分な酸素や栄養素が供給されない
組織修復機能が妨げられる
などということが惹き起こされます。

これらの作用により、喫煙者の歯周病は発症すると進行が早く、また治癒しにくくなってしまうのです。そして出血の自覚症状が出にくく、発見が遅れる原因にもなります。
また、たばこは口臭や口腔癌や味覚鈍麻の原因にもなり、もちろん全身のリスクファクターでもあります。しかし禁煙することでこの危険性が下がっていくことも分かっています。

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