2017年6月26日月曜日

歯や歯ぐきの病気である「歯肉炎」と「歯周炎」の総称

歯槽膿漏(しそうのうろう)は、歯周病の症状の一つです。歯槽膿漏=(イコール)歯周病と捉えられることも多いようですが、厳密には歯周病は、細菌によって引き起こされる歯や歯ぐきの病気である「歯肉炎」と「歯周炎」の総称です。病名としては歯周病が正解です。

日本人の場合、歯肉炎は1020代前半ですでに60%のかたがかかっているといわれ、50才代でおおよそ80%の人がかかっているといわれるほど、多くの方が悩んでいる歯の病気です。だれもがかかっている病気だからといって軽視していると最後には取り返しのつかないことになってしまう怖い病気です。歯周病は予防できます。また、早期発見、早期治療がもっとも大切なキーポイントとなりますから、歯が痛くなくても、半年に一回は診察したほうがいいと言われています。
【初期段階】
歯と歯肉の間や歯と歯の間にプラークがたまると、プラークと接している歯肉は炎症を起こします。炎症を起こすと歯肉は赤く色が変わり、ぽってりと腫れてきます。歯を磨くと出血が見られます。ポケット(歯の周りの歯ぐき)は炎症によりゆるくなって引き締まりがなくなります。初期では歯を支えている骨に細菌の進入はありません。しっかりプラークコントロールすれば歯肉は引き締まり、元にもどります。
【歯周病初期】
歯周炎を放置すると、細菌はゆるくなったポケットから歯根の表面のセメント質に進入します。細菌は死ぬとセメント質の上に硬いかたまりを作ります。これを歯石といいます。
歯石は新しい細菌の住みかになるのと同時に、それ自体も炎症を起こすとても有害なものです。この時期はもうプラークコントロールだけでは元に戻りません。歯石と細菌の進入した、汚染されたセメント質を削り取ります。

【歯周病中期】
プラーク、歯石、細菌で汚染されたセメント質が存在するためポケット内の炎症はだんだん下や横に進み、歯を支えている歯槽骨や歯根の周りの歯根膜に炎症を起こします。
プラークや炎症による口臭も強くなってきます。歯根膜に炎症が起こると歯肉がはがれてポケットが深くなり、より細菌が住みやすくなります。歯根膜炎を起こし、噛んだときの違和感や痛みを感じることもあります。骨に炎症が起こると骨は徐々に溶けていき、歯を支える部分が少なくなっていきます。歯を支える骨が少なかったり、炎症が強いときは歯が揺れることもあります。この時期になると歯周炎初期と同じ治療で治っても、歯肉が下がって根が出てきている状態になります。それでも治らない場合、骨を作る様な手術が必要になることもあります。
【歯周病後期】
骨がなくなったことによる歯の揺れはさらに炎症を強くし、骨を溶かします。また、歯の揺れにより歯根膜も炎症が強く、揺れるたびに痛みがあるような状態です。特に炎症が強いときは膿が出てくることもあります。ここまでくると治療しても治すのはかなり難しく、抜くことになる可能性もあります。

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