2020年3月20日金曜日

ジルコニアは原子炉の格納容器などにも使われるきわめて機械的強度の強い素材です

審美歯科とは、虫歯などで失った・欠けてしまった歯を専用の素材を用いて修復し、天然歯に限りなく近い色や形・質感へ仕上げる治療法です。また、当院では、機能矯正治療と連携して噛み合わせなどの口腔機能も考慮した審美治療を行っています。歯を治すだけでは得られない安定性を得ることができます。

ハイブリッドレジン
ハイブリッドレジンはフィーラー強化型コンポジットレジンと呼ばれるもので保険使用の物もありますが 自費用の物はさらにフィーラーの量を増やし耐久性に改良が加えられています。ただし臼歯に咬合機能を負担させるには耐摩耗性と破折強度が実用域に達しておらず特に大臼歯部の使用には向きません。 図では金属の裏打ちの物が出ていますが現在金属を裏打ちしたものは保険診療の前歯前装金属冠のみです。 前歯部にハイブリッドレジンのジャケット冠を入れると審美的にはセラミック系に劣らないものができます。ジルコニア等より廉価に抑えられる利点があります。ただし耐久性は劣ります。少し前は破折しても修理が可能なために多用しましたがトラブルが多発したため現在では前歯部のジャケット冠のみ使っています。まあ悪くは無いですよ。一本3万円くらいでできます。
オールジルコニア
ジルコニアは原子炉の格納容器などにも使われるきわめて機械的強度の強い素材です。工業的に制作されたジルコニアジスクからCAD/CAMを使って歯冠修復物とします。光学印象器でスキャンし3Dイメージで形態を整えたものをミリングマシンでジスクから削りだして作ります。オールジルコニアはジルコニアのみを使用した素材です。通常はジルコニアの上に焼き付け陶材を焼成して色や形を整えますがそこまでの審美性が必要ない小臼歯部等に単体のジルコニアを適応すると強度は非常に高く、歯ぎしりの激しい方であっても破折しにくいメリットがあります。が色調はジルコニアジスクそのものとなりますので自然観はあまりありません。前歯に使用するのはお勧めできませんが大臼歯部とか下の小臼歯部であれば使用できます。強度も強く価格もお安くできます。
ジルコニアセラミック
ジルコニアジスクをCAD/CAMを用いて削りだし、表面を焼成陶材で覆います。自然な透明感があり、金属の裏打ちも使わないので光が自然に透過してとても明るい修復物になります。また、歯肉との境目が分かりにくく色もキレイに映ります。先ほども申しましたように機械的強度は非常に強いので表面の焼き付け陶材部分以外は破折の心配がありません。前歯部の修復には決定的なパフォーマンスを発揮します。

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