2018年6月22日金曜日

歯肉炎の段階であれば、歯医者でのプラーク・歯石除去で炎症はほぼ治すことができます

歯周病は年齢とともに静かに進行し、放っておくと自然に歯が抜ける疾患です。昔は、歯周病の適切な治療法はなく、年を取ると歯が抜けるのは当然と思われていました。
しかし、最近では歯周病の原因と対策が明らかになり、治療法も著しく進歩しています。従って、歯周病が進行しきってしまう前に適切な処置、メンテナンス行うことで一生自分の歯を守ることも出来るのです。
「歯周ポケット」とは、歯と歯茎の間にプラークがたまることで歯茎がはれ、隙間が大きくなって形成されます。「歯周ポケット」は「歯周病原菌」が繁殖するのに非常に適しており、放っておくと歯茎の下にある歯槽骨を溶かしまいます。しかし、「歯周病原菌」が増殖していても、痛みなどの自覚症状は少なく、静かにゆるやかに進行していきます。
そして、気づいた頃には恐ろしく進行しており、歯を失う危険をもっているのが歯周病の特徴です。更に、歯周病を要因として内臓疾患の悪化など二次病変の危険性ももっています。
全身疾患と歯周病の関係
全身疾患と歯周病は、相互に影響を与えています。歯周病の原因は「細菌による感染症」であるため、体の抵抗力が強ければ病気の進行を食い止めることも可能です。しかし、他に病気を抱えて抵抗力が弱っていると、歯周病の進行を食い止めにくくなり、「歯周病原菌」が体内に流れることで、他の病気を引き起こすなど悪化させる原因となります。
特に、影響の大きい疾患としては糖尿病があります。

糖尿病になると細菌を退治する白血球の機能が阻害されるため抵抗力が極端に落ちてしまいます。その為、歯周病にかかると短期間で重症化しやすくなります。また、歯周病巣から出る「TNF-α」が増えると血糖値のコントロールを障害する作用があり、糖尿病の経過にも悪影響を与えます。逆に歯周病が治ると血糖値が下がり、安定することもわかってきました。他にも、心臓血管系疾患、細菌性心内膜炎、呼吸器疾患、低体重児出産などの関連性が明らかになってきており、歯周病のケアは歯の問題だけでないことがわかってきています。
歯肉炎の段階であれば、歯医者でのプラーク・歯石除去で炎症はほぼ治すことができます。しかし、本当に治すためには治療後に、毎日の生活の中で正しい歯磨きを続け、プラーク・コントロールを実践することが必要です。プラークを除去しきる為のブラッシング方法は、自分の歯の形や特徴に合わせて歯科医師、歯科衛生士にご相談ください。

歯周園に進行している場合には、プラーク、歯石除去を行った上で十分な改善が認められない場合には、状態に応じた歯周外科治療を行います。歯周外科治療には、フラップ手術、歯周ポケット掻爬術、歯肉切除術、GTR法などがあり、歯周炎、虫歯の進行によって歯科医が示唆します。治療方法については、歯科医師からの説明と同意に従って適切な方法を選択して下さい。

0 件のコメント:

コメントを投稿