2018年5月15日火曜日

口内に細菌が繁殖しても、身体の抵抗力がそれに勝れば、虫歯にはなりません。

歯科医療にとって、結局一番大切なのは「虫歯や歯周病などの疾患を引き起こす前に適切な予防をすること」です。
人間には、「自然治癒力」や「抵抗力」が最初から備わっていますが、虫歯予防においても、これらを利用するのは重要です。口内に細菌が繁殖しても、身体の抵抗力がそれに勝れば、虫歯にはなりません。
予防歯科とは、歯磨き指導やフッ素塗布など、さまざまな方法で、患者さんの口内環境を
整え、「虫歯になりにくい口内環境」をつくること。これに尽きるでしょう。さて、セルフケアにおける予防は、まず「歯磨き」ということになりますが、実は正しい歯磨きをしている人は少ないものです。たとえば、「歯ブラシを濡らしてから歯磨き剤をつける」人がいますが、これだと泡立ちが早いので「磨いた気になってしまい」十分に汚れを落とさないで済ましてしまう場合があります。
また、食後すぐに歯を磨くのも、唾液の働きを活用できないので、あまり意味がありません。このように、歯磨きひとつとってみても、患者さんの中に多くの勘違いがあり、これらが予防歯科を考える上で障害になっていることは否定できません。「痛くなったから、悪いところがあるから歯科医にかかる」のではなく、「痛くなる前に、悪くないけれど今のうちに」という気持ちで、歯科医院を利用してもらうのが、本来のかたちですし、それこそが予防歯科の根本です。
PMTCProfessional Mechanical Tooth Cleaning
日本語にすれば「歯科医院において行う機械的歯面クリーニング」です。もともとは、歯垢を除去する目的で提唱されたものですが、現在では「バイオフィルムの除去」をPMTCの主目的とする考え方に変わっています。バイオフィルムとは、細菌の住処となるタンパク質の膜で、これが歯の表面につくられると虫歯や歯周病の原因になるのです(お風呂の浴槽についたヌメリのようなもの)。PMTCは、理想的には2カ月に1回程度、定期的に行うえば、それだけ虫歯予防効果も高いといえるでしょう。

スケーリング
歯垢や歯石を専用の器具で取り除きますスケーリングとは、歯垢や歯石を専用の器具で取り除く方法です。歯垢が硬くなった状態の歯石は、バイオフィルムと同様にブラッシングでは除去できません。当院では、歯石がついている部位や沈着状況に応じて最適な器具を用い、患者さんのご負担が少ないスケーリングを行っています。患者さんの希望によっては麻酔をします。

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