2018年7月10日火曜日

予防歯科とは、むし歯や歯周病の予防を目的とした診療科目です。

医療の役割が「治療」から「予防」に変わってきた欧米では、歯科医療においても予防歯科が浸透しています。 「歯が痛くなってから歯科医院へ行く」ことがほとんどの日本に対し、「むし歯や歯周病にならないよう、定期的にプロのケアを受けるために歯科医院へ行く」というのが欧米の考え方。歯の定期検診、定期的なメンテナンスを行うことは一般的で、多くの人が歯の大切さを認識しています。その結果、80歳のときに残っている歯の本数は、日本では平均9.8(平成17年厚生労働省調査)に対し、欧米では1520本と歴然とした数字の差としてあらわれています。 

動物は歯が無くなると死んでしまう、という話を聞いたことはありますか。 人間も、年齢を重ねても元気な人は、歯が健康である場合が多いのです。また、糖尿病や心臓病の一因は、歯周病にも関わっています。まさに口の中の健康維持こそ、身体全体の健康につながるといえるでしょう。

歯周病は予防が一番
歯周病は歯を支える骨が溶け出してしまう病気で、一度かかってしまうと重症化しやすく、重症化すると治療に時間も費用もかかってしまいます。そのため、歯周病にかからないように予防するのが一番です。歯垢は口の中にいる細菌に食べかすが付着したもので細菌の塊です。歯垢が歯肉のまわりに付着すると歯肉が炎症を起こしたり骨を溶かし歯周病の原因となります。
歯垢を放置すると歯垢が歯石となり、歯石には歯垢が付着しやすいという特性があるので歯周病の症状を悪化させやすくなります。歯垢の段階であれば、毎日丁寧に歯磨きをすることで取り除くことができますが磨き残しや歯石は歯医者でなければ取り除くことは出来ません。歯に粘ついたものがついている、白い硬いものが付着している、歯磨き時に出血するなどの症状がある方はお早めにご相談ください。

歯石の除去
歯の表面に付着している細菌のかたまり(歯垢)にカルシウムが沈着すると、歯石と呼ばれる石のようなものになります。この歯石や歯垢は、むし歯や歯周病の原因となります。また、歯石は毎日の歯磨きだけでは取り除けません。そこで、専用の機械などを使ってこれらの歯垢や歯石を除去します。さらに、歯の表面をなめらかにして汚れを付きにくくすることで、むし歯や歯周病が予防できます。
PMTCとはプロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニングの頭文字をとったもので簡単にいうと普段のブラッシングだけでは取りきれない汚れなどをプロが使用する器具を使ってクリーニングすることです。歯磨きが不十分であったり、歯磨きが上手にできていない場合は歯の表面にバイオフィルムと呼ばれる細菌の膜が出来てしまいます。イメージとしてはお風呂や流し台など水回りのぬめりのようなものです。一度、バイオフィルムが作られてしまうと歯ブラシだけで取り除くのが難しくなります。そして、この上にさらに細菌が付くと、虫歯や歯周病が進みやすくなります。そこで、歯科医院で専用のチップやラバーを使って、バイオフィルムを壊して細菌を取り除きます。きれいにした後、トリートメントケアをして歯の表面をつるつるにすることで、バイオフィルムが出来にくくなります。通常36ヶ月のサイクルで行います。

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