2018年11月14日水曜日

歯周病は、歯自体の病気ではなく、歯を支える歯周組織の病気であり、むし歯と同様に歯を失う大きな原因の一つとなっています

歯周病とは歯や歯茎に付着するプラーク中の細菌によって引き起こされ、歯を支える歯周組織に起こる病気の総称です。
歯周病になると、歯周ポケットと呼ばれる歯と歯茎の隙間に細菌が増え、歯槽骨を吸収していきます。やがて歯がぐらつき、ついには抜けてしまいます。歯周病には大きく分けて歯肉炎と呼ばれる状態と、歯周炎と呼ばれる2種類の時期があります。歯肉炎までの状態であれば、大抵の場合において、原因となっている細菌(歯垢と歯石)を除去し、丁寧にブラッシングをすれば治ります。しかしながら歯周炎まで症状が進行してしまい、重度の状態になると、抜歯せざるを得ない場合があります。
歯肉炎と歯周炎とは?
歯肉炎とは、歯に隣接する歯肉にのみ炎症が起きている状態で、歯肉の下にある歯周組織(歯根膜(しこんまく)・歯槽骨(しそうこつ))には炎症が波及していない状態です。
これに対して、歯周炎とは、歯肉とその下にある歯周組織(歯根膜・歯槽骨)にも炎症が波及し、組織が破壊されている状態です。
歯肉炎と歯周炎の発症
歯と歯肉の隙間(歯周ポケット)に入り込んだ細菌により、歯肉に炎症が起こります(歯肉炎)。歯肉炎が治療されず、進行して深部に炎症が波及すると、歯を支える骨(歯槽骨)は吸収されてしまいます(歯周炎)。歯周炎が進行すると、歯を支える骨がなくなるため、歯はグラグラになり、最後には抜け落ちてしまいます。
 
歯周病は、歯自体の病気ではなく、歯を支える歯周組織の病気であり、むし歯と同様に歯を失う大きな原因の一つとなっています。
歯周病の検査(プロービング検査とレントゲン撮影)
プローブという専用の器具を用いて、歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)の深さを測る検査を「プロビング検査」と言います。歯肉が健康な状態では、ポケットは13mm程度ですが、4mm以上になると歯肉炎または歯周炎であり、歯周炎が進行するほどポケットは深くなります。
 
また、レントゲン撮影を併用し、歯が埋まっている骨の状態(どれくらい減っているか)を確認します。 これらの診査により、実際に組織が破壊されているかどうかを見て、歯肉炎か歯周炎の診断をします。
歯肉炎・歯周炎の症状
歯肉炎および初期の歯周炎では、ブラッシング時に歯肉から出血があっても、通常は痛みなどの目立った症状はありません。痛みがないので、歯科を受診する人は少なく、気づかないうちに進行してしまう事があります。そのため、症状が出る段階では、歯を支える骨が減ってしまい、歯が揺れ動いている事があります。
歯垢(プラーク)は食事するたびに歯に付着します。毎食後、歯磨き、歯間ブラシ、デンタルフロスなどで丁寧に除去することでプラークコントロールすることが可能です。プラークコントロールとは、歯周病の直接の原因である歯垢(プラーク)=細菌の塊の増殖を抑え、歯周病を予防しようということです。すでに歯周病にかかっている人は歯周ポケットが深くなっているため、歯周ポケットに入り込んだ歯垢(プラーク)を自分で除去することは難しいので、歯科で除去してもらいましょう。

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