2019年11月4日月曜日

親知らずは必ず抜かなければいけないということはありません

親知らずは必ず抜かなければいけないのか?
親知らずは必ず抜かなければいけないということはありません。
ただ、上下で噛み合っていないと歯の役割を果たしていませんし、レントゲンなどで撮影した時に真っ直ぐ生えることも少なく、横向きに倒れて生えること(埋伏歯)もあり、汚れが残りやすいことから歯周組織が炎症を起こして歯肉(歯ぐき)が腫れて膿んでしまう原因にもなりやすい歯です。
歯としての機能をあまり果たしていなく、お口にとってデメリットが多い場合には抜歯をすすめられることが多い歯です。しかし、最近では再生医療も進化してきて親しらずを移植することができる方法もでてきています。適応は、奥歯のみと制限はありますが、その時のために残しておくという選択肢もでてきています。
あと妊娠されている場合には、できれば妊娠中は避けたいところですが、少なくとも安定期に入ってからがいいかと思います。その場合の局所麻酔は大丈夫ですが、痛み止め、炎症止めの鎮痛剤などの薬は注意が必要です。予防法としてなるべくは、腫れないように日頃から歯科衛生士による歯肉炎、歯周病の予防ケアと皆さん(自分)での歯垢をキチンと取り除く歯磨きが大切となります。
親知らずがむし歯になってしまった場合には、繰り返しボロボロと虫歯になるリスクもあるので、早めに抜歯を選択することが多いです。親知らずは本来なくても良いとされている歯ですし、しっかりと生えて噛み合わせて使用することができる場合はかなり少ないです。歯として使用することが難しく、虫歯になってしまった場合には抜歯することをおススメしています。しかし反対の歯と正常に噛んでいる場合は、むし歯を詰め物で、根管治療(抜髄治療)をしてから歯冠に銀歯などの修復物を被せたりして歯科治療をすることも出来ます。
また、親知らずは虫歯だけではなく、歯周病にも大きな影響を与えます。歯磨き(歯周病予防)が十分ではなかったりすると親知らずの下に細菌(歯周病菌)などが入ると、そこから炎症が起き、始めは違和感が出てそのうち激痛が起きたり、歯茎の腫れが起きます。それが悪化すると歯を支える周囲の顎の骨を溶かしてしまうこともあります。上顎で、親知らずが原因で膿んで上顎洞まで感染している場合は、ちょっと厄介です。
また親知らずだけならまだしも、健全な他の歯にも影響を与えるという意味では、歯周病も非常に怖い疾患です。下顎の水平埋伏智歯が、顎の内部のの神経や太い血管の側に接している位置にある場合、抜歯した後のトラブルとして麻痺などが起こることがありますので、親知らずが、真横に埋まっている場合などは、歯科口腔外科にて口腔外科専門医に抜歯治療をしてもらったほうが安全です。

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