2019年1月22日火曜日

 ここで少し歯周病について説明します。

歯肉の腫れや出血・口臭でお悩みの方、歯周病でお困りの方はぜひご覧下さい。
生活習慣病の心配のある方、肥満(メタボリックシンドローム)の方もぜひご覧下さい。
お口と全身の健康のために歯周病について理解を深めておきましょう。

歯周病の原因は細菌
歯周病は歯周組織(歯をささえる周りの組織)に起こる病気で、細菌や原虫による感染症です。お口の中には500種類以上もの細菌がいて、その中で歯周病の原因となる細菌はなんと! 10種類以上にもおよぶと言われています。

※以降、ここではこれらの細菌を歯周病菌と呼びます。
歯周炎のはじまり
歯周病菌はネバネバした物質を分泌しコロニー(集合体)を作ります。
コロニーがさらに成長するとバイオフィルムとなります。
バイオフィルムの表面には免疫細胞や抗菌物質をはねかえすバリアが張られ、歯周病菌にとっては要塞そのものです。このバイオフィルムの中で歯周病菌は生存のために酵素を放出します。生命を終えた歯周病菌の構成成分は内毒素となります。
この酵素や内毒素が原因となって歯肉に炎症がおこります。これが、歯周病の始まりである歯肉炎です。
歯周炎から歯周病へ
歯周病菌には嫌気性細菌(空気を嫌う性格の細菌)もいます。この嫌気性細菌は歯面にそって歯周組織を破壊しながら歯肉の中に入り込んでいきます。
本来、歯と歯槽骨は歯根膜により繋がっていますが、歯根膜は歯周病菌の進入とバイオフィルムの形成により破壊され、歯周ポケット(歯と歯肉の間の空間)ができます。では、私たちの体はバイオフィルムの進入をそのまま見過ごしているのでしょうか?
もちろん、免疫細胞(白血球など)や抗体が出動し歯周病菌の進入を許すまいと抵抗を試みます。免疫細胞はバイオフィルムを撃退するために酵素を出します。しかし、バイオフィルムの頑丈なバリアーには効かず、行き場を失なった酵素が歯周組織の崩壊をさらに進めてしまうのです。こうなると、もう本格的な歯周病です。
歯周病で歯を失うことに
歯周ポケットで猛威を振るう歯周病菌はバイオフィルムに守られています。歯磨きも歯周ポケットの中まではとどかず、バイオフィルムを取ることはできません。歯周病菌の排泄物や死骸は石灰化して歯石になり、歯周ポケット内の歯面にこびり付きバイオフィルムがどんどん拡大していきます。免疫細胞の出す酵素も逆効果となり、歯根膜は破壊され歯肉は後退し、歯を支えている歯槽骨までもが溶け始めてしまいます。やがて、歯を支えていることが困難になった歯槽骨から、歯は抜け落ちてしまいます。

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