2019年1月21日月曜日

歯ぐきの腫れ・出血、歯がグラつく(歯周病)

顎が痛い、音がする、口を開けにくい(顎関節症)
成人の250人に1人が顎関節症(がくかんせつしょう)だと言われています。歯ぎしりや頬杖(ほおづえ)、左右のどちらか一方で噛む癖など生活習慣に関わる要因や、一時的な強い精神的ストレスなどにより、顎関節の軟骨にズレや変形がみられたり、顎の筋肉の緊張・損傷がみられたりします。また、顎関節症は顎周辺だけでなく、頭痛やめまい、首・肩のコリ、手のシビレなどの関連症状を伴うこともあります。さらに、顎関節症が原因で、歯と歯ぐきの境目付近が鋭利に欠けてしまい、歯がしみる「アブフラクション」という知覚過敏を引き起こす場合もあります。

治療法
スプリントと呼ばれる専用のマウスピースを作製してかみ合わせを正したり、消炎鎮痛薬や筋弛緩薬(きんしかんやく)を処方したりします。大抵の症状は34ヶ月で約90%の方が改善しています。ただし、単にマウスピースを作っただけでは症状は改善されません。口を開け閉めする起点となる、顎関節にある「関節円板」と呼ばれるクッションを正常な位置に戻してあげる必要があるからです。そのためマウスピースの上に硬質レジン(白いプラスチック樹脂)を盛り、正しい位置関係へと促すと同時に、顔のストレッチにより顎周辺の筋肉を緩ませ、関節円板にかかるストレスを軽減していきます。
歯ぐきの腫れ・出血、歯がグラつく(歯周病)
歯ぐきの腫れや出血は、むし歯が進行して歯の根っこの付近に膿みが溜まり炎症を起こしている場合もありますが、多くの場合は歯肉炎(歯周病の初期段階)が原因です。歯周病は世界一蔓延している感染症です。痛みなどの自覚症状が無いために気付いていない人が多いのですが、日本の成人の約8割は歯周病に感染していると言われています。その他の症状として、口の中のネバネバ感や知覚過敏、口臭などもよくみられます。さらに進行すると、歯ぐきが下がり歯がグラつき(歯周炎、歯槽膿漏)、最終的に抜けてしまう、またはやむを得ず抜歯となるケースもよくあります。実際歯を失う最大の原因は、30代まではむし歯ですが、それ以後は歯周病が急激に多くなります。
また最近の研究によると、歯周病は2型糖尿病の合併症の一つとみられており、その他にも動脈硬化や狭心症、骨粗鬆症、食道がん、脳梗塞などのリスクが上昇することもわかっています。むし歯菌と歯周病菌は全く異なるため、むし歯がゼロの人でも歯周病にはなります。
治療法
歯ぐきの腫れや出血には、抗生物質や消炎鎮痛剤の服用と、歯周ポケットなどに溜まってしまった歯石や歯垢などを専用の器機で取り除いていきます(PMTC、スケーリング)。重度の場合には、感染してしまった組織を除去したり、場合よっては周りの歯への感染を防ぐ為に歯を抜かなければならないこともあります。

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