2020年6月16日火曜日

親知らずはすべて抜くの?

親知らずってどうして生えるの?
永久歯は上あご、下あご16本ずつの全部で32本あります(歯そのものが存在しない場合は除きます。)永久歯の中で最後に生えてくる歯を親知らず(または、第3大臼歯や智歯)と言い、20歳前後に歯並びの一番奥(第2大臼歯の後ろ)に生えてきます。右記のイラストでは8の第3大臼歯のことを指します。この親知らずは、お口の中でトラブルの原因となることはよく知られていますが、何故そうなってしまうのでしょうか。

食品を加工せずに食べていた大昔と比べ、食生活の変化により、あまり硬いものを噛まなくなったため、顎は退化して小さくなってきました。しかし、歯の大きさや本数にあまり変わりはありません。そのため、永久歯の中で最後に生えてくる親知らずのためのスペースがなく、他の歯と同じようにまっすぐ生えることができず、お口の中で悪い影響をもたらすことが増えてきたのです。
親知らずはすべて抜くの?
お口の中できちんと使える場合や、お口にトラブルを引き起こしていない親知らずであれば、抜歯の必要はありません。

【抜歯の必要がない場合の例】
上下の親知らずがしっかりと噛み合い、歯磨きがきちんとできる場合
完全に顎(骨)の中に埋まり、痛みなどの症状が無い場合

親知らずを抜くときはどんな場合?
お口の中でなんらかのトラブルが生じた場合は、抜歯が必要となります。
まっすぐ生えていない場合
生えるスペースが小さく、斜めや横に生えてしまった親知らずは、歯ブラシをきちんとあてることが難しくなります。磨き残しは、虫歯や歯周病の原因となります。そのまま放置しておくと、身体の抵抗力が落ちたときに突発的に親知らず周辺の歯ぐきが腫れて痛みを伴い、ときには口を開けることができなくなることがあります。

噛み合う歯が無い場合
まっすぐに生えた親知らずでも、噛み合う歯が無ければ、対する歯ぐき(上の親知らずなら下の歯ぐき、下の親知らずなら上の歯ぐき)にあたるまで伸びてしまい、痛みを引き起こすことがあります。
他の歯に悪影響がでる場合
親知らずがまっすぐ生えないために、手前にある第2大臼歯のブラッシングが難しくなり、虫歯や歯周病の可能性が高くなったり、第2大臼歯を押す力が働き、歯並びを悪くするなどの悪影響をもたらすことが考えられます。

治療に悪影響がある場合
矯正治療やインプラント治療をおこなう際に、親知らずがあることで、歯並びや噛み合わせに悪影響がでることが考えられます。

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