2020年6月30日火曜日

歯を支える顎の骨を溶かす病気「歯周病」

歯周病は歯ぐきの病気だと思われがちですが、歯を支える顎の骨(歯槽骨)の病気です。歯垢(プラーク)の中に潜む歯周病菌が悪さをし、歯ぐきに炎症を引き起こします。そして歯ぐきの奥まで進んで顎の骨が溶かされていきます。この過程で自覚症状はほとんどないため、気がついた時にはかなり進行していることも特徴のひとつです。

歯周病は日本人が歯を失う原因第1位の恐い病気。成人の約8割は感染者もしくは予備軍だともいわれています。「歯みがきをしたら出血した」「口臭がひどくなった」「歯ぐきが赤く腫れている」といった症状は歯周病のサインかもしれません。
歯周病の進行
歯周病は虫歯と同じく細菌による感染症で、最初は歯ぐきなどに炎症を起こします。特に歯と歯ぐきの境目はみがき残しが発生しやすく、プラークが溜まりやすいため細菌のすみかになる場所。この部分に細菌が溜まると、唾液に含まれる炭酸カルシウムなどの作用によってプラークが硬くなり、歯石と言われる物質に変化して歯の表面に強固に付着します。

こうなると歯ブラシだけでは取り除くことができません。この歯石の中やまわりにさらに細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けます。そして歯ぐきが炎症して赤くなったり、腫れたりするのです。
炎症した状態が続くと、歯と歯ぐきの境目を繋いでいた頑丈な繊維がちぎれてしまいます。そして歯と歯ぐきの間に「歯周ポケット」という隙間ができます。歯周ポケットは歯周病菌の温床となり、歯ぐきは常に歯周病菌の攻撃にさらされ、炎症が続くことでさらにポケットは深くなります。そのまま炎症が進み、歯周ポケットが深くなると歯ぐきの下にある骨、歯槽骨にまで細菌の攻撃が及びます。

最終的には歯を支えている歯槽骨が溶けてしまい、この状態が長く続くと歯が揺れてきてしまいます。はっきりとした自覚症状が出るのは、歯槽骨を大きく失ってからです。

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