2020年6月9日火曜日

歯周病が進行すると、歯周病菌が血液を介して全身に広がり、さまざまな悪影響を与えることが明らかになっています

歯周病は、歯垢(プラーク)を主原因として起こる病気です。顎の骨を溶かし、最後には歯を脱落させてしまいます。単に「歯ぐきから血が出る」「歯ぐきが下がる」病気ではありません。国内の成人の内、約80%が歯周病だと言われています。ほとんど症状なく進行するため、虫歯に比べて受診が遅れがちです。この発見の遅れが、80%という数字に如実に表れています。

歯周病の主な原因はプラーク、つまり歯垢です。予防のためには、虫歯予防と同様、歯科医院での定期的なクリーニングとご自宅でのオーラルケアが重要です。また、直接的な原因ではないものの、喫煙、詰め物・被せ物の不適合や糖尿病、歯ぎしりや食いしばりも、歯周病の発症リスクの増大、進行の加速の要因です。
歯周病と全身疾患との関係
歯周病が進行すると、歯周病菌が血液を介して全身に広がり、さまざまな悪影響を与えることが明らかになっています。また反対に、全身疾患が歯周病を進行させることもあります。歯ぐきからの出血などが見られるときにはもちろん検査・治療が必要ですが、症状がないうちから予防に取り組むことが、全身の健康を守るための最善策と言えます。下記は、歯周病が疾患に悪影響を及ぼしているケースまたは歯周病を悪化させる可能性のあるケースです

肥満
脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカイン(生理活性タンパク質の総称)は、歯周病を悪化させるリスクがあります。

狭心症・心筋梗塞
歯周ポケットから歯周病菌が血管内に侵入して直接的に、あるいは歯周炎にかかわる分子が間接的に、冠動脈(心臓に栄養を送る血管)へと悪影響を及ぼしている可能性が指摘されています。

糖尿病
糖尿病の方は、糖尿病ではない方と比べて歯周病の発症リスクが高いことが明らかになっています。また、合併した場合、それぞれが互いを悪化させるリスクも指摘されています。
誤嚥性肺炎
加齢、病気などで食べ物を飲み込む力が衰える(嚥下障害)と、胃液の逆流が起こりやすくなると共に、歯周病菌が気管へと入り込みやすくなり、誤嚥性肺炎を起こすことがあります。

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