2018年3月15日木曜日

歯周病といっても、実はさまざまな種類の歯周病があり、いろいろな形で分類されています

これらの中には、全身的な疾患(遺伝性疾患、血液疾患など)に伴い発症する稀なものや、いまだに原因がよく分かっていない急激に進行する歯周病、また、薬物の服用や妊娠といった特定の条件下に発症するような歯周病など、実にさまざまな病態が存在します。

我々歯科医師が日常的に扱う歯周病は、こういった様々な病態のなかで「慢性歯周炎」と表現されるもので、先の生活習慣病としての歯周病もこの「慢性歯周炎」です。
慢性歯周炎とは、つまり「継続的に歯茎や歯をささえる骨の周囲に炎症が生じている状態」という風に言い換えてもよいでしょう。歯周病の根本的な病態は炎症ということです。ということは、歯周病の原因はこの炎症を引き起こすものになります。
 歯肉炎 
歯周炎の前段階のような状態。歯ブラシがよくできていないことにより歯と歯ぐきの間の溝に汚れがたまり炎症が起きます。 これは汚れの中で細菌が繁殖するためです。 
適切な歯ブラシで歯のまわりを清潔にすることで改善することができます。

軽度の歯周炎 
歯肉炎の状態がしばらくつづくと、炎症はだんだんと深くに達していきます。
もしも歯を支える骨にまで炎症が波及したら大変ですから、防御反応として骨は炎症から逃げるように退縮しはじめます。よく「歯を支える骨が溶ける」と表現される状態です。このように、炎症の影響が骨にまで及んだ段階から歯周炎となります。

 中等度の歯周炎  
さらにこのような状態が放置されると、骨はどんどん下がっていきます。すると、歯と歯ぐきの間の溝は更に深くなり、また汚れがたまり、深い溝の中のよごれはなかなか掃除できないため、歯石が付着し、その歯石にまた汚れがたまり...と悪循環が始まります。このような状態になると、歯のまわりでは細菌がバイオフィルムという特殊な環境を形成して更に繁殖し、毒素を放出します。
重度の歯周病 
この段階になると、歯の周りには歯石とバイオフィルムがべったりと付着し、まわりの歯ぐきは炎症性の組織に浸食されます。 当然歯を支える骨はかなり溶けてしまい、細菌は更に活発になります。細菌の出す毒素や、これに対する免疫応答により炎症は強くなり、炎症性の組織が増殖するように骨が溶けてできたスペースを埋めていきます。 

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