2018年3月12日月曜日

的確に歯垢を取り除くための、正しい歯みがきの仕方をお教えします

歯周病と糖尿病は、とくに相互に発症や進行に関わりがあるといわれています。歯周病菌が増えると、それに伴って病原菌の成分が血液中に流れ込みます。流れ込んだ成分は、生体の細胞を刺激していろいろな活性物質を作り出します。このことが全身にいろいろな効果を及ぼしています。その活性物質のうちのひとつ、TNFαという物質は糖尿病にも関わっていると考えられています。
血液中の糖の濃度(血糖値)をコントロールするホルモンをインシュリンといいますが、血管中の歯周病菌の成分TNFαが血糖値をコントロールするインシュリンの働きを弱め、血糖値を下げる反応を阻害していることがわかってきました。糖尿病になると、体の免疫力を低下させるため、歯周病菌への抵抗力も低下させています。細胞がインシュリンに対して反応しづらくなっているタイプの糖尿病では、歯周病の治療により歯周炎がおさまると、血中のTNFαが減少し、血糖値が安定しやすくなることが示されています。
肺炎
歯周病菌が存在すると、歯肉から血や膿が出て、お口の中でさまざまな細菌が繁殖しやすい環境になっていきます。歯周病菌を含んだ唾液が気づかないうちに気道を通って気管支や肺に入り、細菌が繁殖して肺炎を引き起こす、ということがあります(誤嚥性肺炎)。年齢に伴い嚥下反射や、気管支を守る働きが低下するため、高齢の方はとくに肺炎にかかる危険性が高くなります。お口の中の細菌をできるだけ減少させるための口腔ケアが必要です。

歯周病と喫煙
基本的に歯周病は細菌による感染症です。しかしながら、その発症と進行には多くのリスクファクターが関与しています。なかでも、喫煙は歯周病のもっとも重大な因子のひとつです。タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、歯肉が炎症を起こしても出血しにくい状態になっています。そのため、気づかないうちに進行してしまうことが多いのです。また、白血球や歯肉を作る細胞などの機能を低下させてしまうため、歯周病の治療を行なってもなかなか回復しないのです。
治療
ブラッシング指導(プラーク・コントロール)
的確に歯垢を取り除くための、正しい歯みがきの仕方をお教えします。(ブラッシング指導と呼びます。)新しい歯ブラシをお渡ししますので、歯科衛生士と並んで一緒に歯みがきをします。

歯石除去(スケーリング)
歯垢が石灰化してかたまってしまった歯石は、プロが取り除くのが、一番安全で確実です。むし歯や歯周病の温床となってしまうので、歯石があったらすみやかに取り除きましょう。

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