2019年8月30日金曜日

歯肉炎から、さらに進行した状態です。歯周ポケットの深さは3~5mm程度になっています

皆さん、歯周病(歯槽膿漏)って言葉を聞いた事がありますでしょうか?
「よくコマーシャルなんかで流れてるので聞いたことあるぞ!」と言う方もいらっしゃると思いますが、歯周病は、お口の中に存在する細菌(歯周病菌)によっておこる『歯を支えている歯ぐきや骨等の病気の総称』です。

歯肉炎
歯と歯肉の間の溝の清掃が不十分だと、歯垢や歯石が形成され、細菌が定着し、歯肉に炎症が起こります。この状態が歯肉炎です。歯肉炎になると、歯磨きの時に出血があったり、歯肉が赤く少し腫れぼったい感じになります。 このときの歯周ポケット(歯と歯肉の間の溝)の深さは3mm程度で、この時期であれば歯医者さんでの歯石除去や正しい歯磨きの習慣化などで元の健康な歯肉の状態へ回復させることが出来ます。ただし、この歯肉炎の状態だと具体的な症状に気づかずに過ごされている方も多いのが実情です。20代以上の日本人の8割以上がこの状態だというデータもあります。これ以上悪化させないためにも1度歯石を取ったとしても定期的な歯科検診(3ヵ月~6か月に1度)は必要でしょう。
軽度歯周炎
歯肉炎から、さらに進行した状態です。歯周ポケットの深さは3~5mm程度になっています。 このころになると、顕著な口臭もしだし、歯肉を軽く刺激するだけでも容易に出血してきます。この時期でも歯石除去や正しい歯磨きは必要ですが、歯肉は元の健康な状態からはやや下がった状態になる場合があります。また、歯石除去も深い部分を取る際は麻酔が必要になることもあり、時間がかかることがしばしばあります。 ただ、これだけの状態になっても自覚症状がない場合がほとんどです。

中度歯周炎
歯肉の炎症はさらに進み、腫れが大きくなります。歯周組織の破壊もさらに進行し、歯周ポケットは深くなり、5mm以上あります。 このころには歯磨き時の出血が多くなり、口臭も強くなり、場合によっては多少の歯の動揺や膿が出ることも自覚症状として出てきます。 こうなってくると治療もより困難さが増してきます。同じように麻酔をして歯石除去を行っていきますが、あまりにも歯石がこびり付いていたり深い部分にある場合は、外科的に歯肉を切り開いて治療が必要になることもあります。ここまでくると歯を残していけるかのギリギリの状態と言えます。
重度歯周炎
歯周病としては末期の状態になります。歯の動揺は強くなり、 膿も自然に出てきますし、状態によっては痛みや腫れが強く出ます。口臭も口元で匂いを嗅がなくてもわかるくらい強くなってきます。 ここまでくると歯を保存することもかなり難しくなり、ほとんどの場合、歯を抜くことになります。この状態にならないように心がけることが大切です。

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