2019年8月28日水曜日

歯を守るためには、歯科医院で正しい磨き方を身につけることが重要になります。

ほとんどの人の口の中には、歯周病菌という菌が存在しています。
歯周病菌は、人間が持つ常在菌の1つ。しかし、一定の条件が揃わなければ、歯周病を発症することはありません。歯周病は、歯周病菌に対して体が過剰な免疫反応を起こすことで初めて発症するのです。つまり、歯周病菌が口の中に存在しない人は歯周病にはなりません。また、歯周病菌がいたとしても、その免疫反応が適正なものであれば歯周病になる可能性はかなり低くなります。もう少し具体的に、歯周病になるプロセスをご説明しましょう。まず、口の中に歯周病菌がいます。これを何のケアもせずに放っておくと、徐々にその数が増えてしまいます。そして、その中には「非常にタチが悪い菌」も存在していて、もちろんこれも増えていきます。 このように歯周病菌の総数と悪い菌の割合が増加すると、体の免疫が菌に対して立ち向かい始めるのです。歯茎や骨などを菌から守るため、精一杯戦ってくれます。しかし、それでも菌がどんどん増えてしまうと、やがては対応できなくなってしまうでしょう。そして、歯に歯周病菌がくっついてしまいます。驚くべきは、ここからです。口の中が歯周病菌だらけになると、これまでは菌と戦ってきた免疫が、今度は歯本体を攻撃し始めます。歯を異物とみなし、排除しようとして、歯を支えている骨を溶かしていくのです。この免疫の働きによって、歯周病は悪化していきます。免疫は、ある一定のラインを超えると、味方から敵に豹変してしまいます。

ここまででおわかりいただけたかと思いますが、歯周病を考える上での重要なキーワードは、「歯周病菌」と「免疫」の2つです。ここからは、それぞれの特徴について見ていきましょう。
プラークを作って歯にへばりつき、歯石になる
歯周病菌は、「バイオフィルム」というバリアを作ります。口の中のバイオフィルムのことを「プラーク(歯垢)」と呼びますが、これがなかなか厄介なものなのです。プラークは、菌がたくさん集まってできた「のり」状の汚れで、歯にぴったりと付着します。なぜ歯なのかというと、歯茎や舌は、皮膚と一緒で代謝してどんどん生まれ変わっていくからです。歯は子どもの歯から永久歯に生え変わることはありますが、大人の歯になったら死ぬまで、もしくは抜けるまで口の中に存在します。菌もなんとか生き延びようと必死ですから、より残りやすい歯にくっつきます。こうすることによって、唾液で流されることなく、口の中で生き延びることができます。プラークは、私たちが食事で摂取する糖質を材料にして作られます。口の中に食べかすが残っていたりすると、プラークが作られやすくなるのです。どんどん作られたプラークは、雪だるまのように膨れ上がっていき、やがては古い部分から徐々に石化していきます。これを「歯石」と呼びます。歯石は、歯ブラシでは取れないほど強く、まるで牡蠣のように歯にへばりつきます。また、牡蠣の表面がざらざらしているのと同様に、歯石もざらざらしています。そのざらざらが、さらなる菌の凝集を招くのです。歯科 ユニット

プラークは、掃除をさぼったお風呂場や三角コーナーに現れる「ぬめり」のようなもの。水ではもちろん、洗剤をかけてもなかなか取れないですよね。きれいに取り除こうと思ったら、洗剤をつけた上で、ブラシとスポンジで根気よく丁寧にこすらないといけません。プラークも一緒で、口をゆすいだだけでは取れないですし、歯磨き粉だけでも取れません。歯ブラシがきちんと当たったところだけ、プラークを取り除くことができます。「私はちゃんと歯磨きをしているから大丈夫」と思う方もいるかと思いますが、歯磨きを「している」ことは、必ずしも「できている」とは言えません。実は、きちんとプラークを取れる歯磨きをしている方は、ほとんどいないのです。歯を守るためには、歯科医院で正しい磨き方を身につけることが重要になります。

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