2019年8月15日木曜日

歯石は歯みがきなどでは取り除けないため、歯科医でとってもらわなければなりません

歯周病とは、歯と歯ぐきの間に繁殖する細菌に感染し、歯の周りに炎症が起こる病気です。
炎症が歯ぐきに限定されているときは歯肉炎、それ以上に進行すると歯周炎(歯槽膿漏)と呼ばれます。はじめはほぼ自覚症状がないまま進行し、歯周炎になると歯が抜け落ちたりするばかりでなく、全身に影響が及ぶことがあります。

歯は、歯冠と呼ばれる外からみえる部分と、歯ぐき(歯肉)の内部に隠れる歯根部で構成されています。歯冠の表面はエナメル質という固い組織に守られています。歯根部は象牙質やセメント質からなり、内部は歯髄と呼ばれ、神経や血管が入り組み象牙質に栄養を供給する役目を担っています。歯の周りを取り囲む粘膜が歯ぐきです。歯ぐきの中には歯槽骨と呼ばれる骨があり歯を支えています。さらに歯と歯ぐきの境目には、歯根膜という膜がありクッションの役割を果たしています。健康な歯ぐきは、歯との間にすき間がほとんどなく、内部に細菌が入り込むのを防いでいます。
歯周病を引き起こす原因=細菌の集まり「歯垢」
歯が十分に磨けていないと、歯垢(プラーク)という細菌の集まりが歯と歯ぐきの間の溝にたまります。歯周病はこの細菌が繁殖することで起こります。歯ぐきが赤くブヨブヨとした感じになったり、出血しやすくなるのは、細菌による毒素によって炎症を起こしているからです。
歯垢を放っておくとやがて石灰化し歯石へと変化します。歯石は歯みがきなどでは取り除けないため、歯科医でとってもらわなければなりません。歯垢や歯石をためていると歯と歯ぐきの間の溝(歯周ポケット)が深くなり、さらに歯垢がたまりやすくなって、歯周病を進行させる要因になります。歯肉炎から歯周炎へと移行すると膿が出て口臭の原因になる、歯槽骨が溶け支えられなくなった歯が抜け落ちてしまうなどの症状が進みます。ストレスや喫煙などの生活習慣や、糖尿病などの病気によって免疫機能が落ちていると、病気は進行しやすくなります。
歯周病で怖いのは、全身に影響が及ぶ可能性があること
歯周病は口の中だけの病気と軽く考えてはいけません。炎症が続いていると、歯周病菌や菌の出す毒素が血流に乗って心臓に運ばれたり、肺に入ったりして、全身疾患を引き起こすおそれがあることがわかってきました。初期のうちは痛みなどの自覚症状が出ないため気付きにくい病気ですが、常に歯と歯ぐきの状態に着目し、赤くなっている、歯を磨くと出血するなどのサインを見逃さないようにし、できるだけ軽いうちに治すことが大切です。

0 件のコメント:

コメントを投稿