2019年8月22日木曜日

食べ残しや歯石が歯と歯茎の隙間に入りこみ、歯周病菌が繁殖する。軽い出血や腫れがある。

日本人が歯を失う最大の原因が歯周病(歯槽のうろう)です。そのため、歯を失った後の義歯を作らなくてはいけない原因の多くはこれにあたります。歯周病は「歯周」つまり歯の周りの組織の病気です。歯の周りには、「歯肉」、「歯槽骨」などがありますが、まず歯肉が炎症を起こして腫れ(歯肉炎)、歯と歯肉の間に歯周ポケットと呼ばれる隙間ができます。それが深くなっていくと歯の土台となっている歯槽骨が破壊されて(歯槽のうろう)、最終的には歯が抜け落ちてしまうのです。なんと、われわれ日本人において、歯周病の初期症状である歯肉炎は、1524歳ですでに50%の方が罹患し、歯周病(歯槽のうろう)は3545歳で80%、4555歳で88%もの人が罹患しています。
歯槽膿漏(歯周炎)と歯周病の違いは?
「歯周病」という言葉は、歯肉炎が進行した歯槽膿漏(歯周炎)も含む一般的な総称。歯科治療の現場では歯槽膿漏(歯周炎)や歯肉炎をまとめて「歯周病」と呼ぶケースがほとんどです。
一般的に歯槽膿漏になると、口内の歯周病菌により、歯を支える歯槽骨が破壊されていきます。進行すると、歯茎を押すと膿が出たり、歯の根元が見えてグラグラとしてきたりすることもあります。また口臭の原因になることも知られています。さらに治療が遅れると、自然に歯が抜けてしまうなどの症状もみられます。

サイレントディジーズ、サイレントキラー「静かな殺し屋」とは?
歯周病は昔から、「サイレントディジーズ(静かなる病気)」「サイレントキラー」「静かな殺し屋」などと呼ばれています。痛みもなく症状が進行し気づいたときには歯が抜け落ちる、または抜歯が必要になったり、心筋梗塞の要因になったりする可能性があるためこのように呼ばれているのです。
歯槽膿漏(歯周炎)の原因(メカニズム)
次のようなステップで、歯槽膿漏(歯周炎)は進行します。

~軽度
食べ残しや歯石が歯と歯茎の隙間に入りこみ、歯周病菌が繁殖する。軽い出血や腫れがある。
軽度
ポケットが広くなり、歯茎の位置が下がる。炎症が進行する。

中等度
歯周病菌が歯を支える骨(歯槽骨)を溶かしはじめる。歯茎から膿が出ることもある。

重度
歯の根も溶けて小さくなり、最終的には抜けてしまう。

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