2019年8月22日木曜日

虫歯は歯の病気、歯周病は歯肉の病気という違いがあり、原因となる菌も異なります

日本人の歯周病の有病率は、20歳代でも7割、30歳代から50歳代では8割にも達すると言われ、歯を失う最大の原因にもなっています。
さらに、歯周病菌が作り出す炎症性物質が、糖尿病や心疾患など恐ろしい病気のリスクを高めることも分かってきました。あなたのお口は、大丈夫ですか?歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。歯磨きが不十分で歯と歯肉の境目に細菌が溜まると、歯周組織(歯肉・歯根膜・歯槽骨)に炎症が起こります。

そして、進行すると歯を支える歯槽骨が溶けて歯がグラグラし、最後には抜けてしまうという恐ろしい病気です。しかし、歯周病はほとんど痛みの症状が表れないまま静かに悪化し、歯肉からの出血や歯のぐらつきなどの自覚症状が表れた頃には治療が困難な状態になっているケースも多いのです。
虫歯・歯周病・歯槽膿漏の違い
虫歯は歯の病気、歯周病は歯肉の病気という違いがあり、原因となる菌も異なります。虫歯の原因菌はミュータンス菌であるのに対し、歯周病の原因菌はプロフィロモナス・ジンジバリス(P.G)やアクチノバチルス・アクチノマイセテムコミタンス(A .A)などが特定されています。また、歯周病のうち炎症が歯肉だけに留まっている状態を歯肉炎、歯槽骨にまで広がり歯が抜けるほどの重篤な状態を指すのが歯槽膿漏です。

歯周病の予防には、毎日のブラッシングによる口腔清掃(プラークコントロール)が不可欠です。ブラッシングだけでは磨きにくい奥歯や歯間部のプラークには、デンタルフロスや歯間ブラシの使用もお勧めです。以下の歯周病を招きやすい生活習慣を改めることも大切です。

喫煙 → 歯肉の血流を妨げて歯周病菌に対する抵抗力が低下
疲労 → 免疫力を低下させるため歯周病が悪化しやすい状態に
よく噛まずに食べる → 唾液の分泌が減少し細菌が繁殖しやすくなる
間食が多い → 細菌に栄養を与え続けることになり増殖が速くなる
どんなに丁寧に歯を磨いたつもりでも、セルフケアでは磨き残しがあるものです。歯科医院によっては、専用の機器や研磨剤を用いて歯間や歯肉溝の汚れを取り除く専門的な歯面清掃「PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)」を実施しています。歯科医院を受診し、磨き残したプラークを定期的に取り除くことや、歯周病検診を受けることが、健康な歯を守るためには不可欠です。

0 件のコメント:

コメントを投稿