2019年10月18日金曜日

歯肉炎が進行したものです。歯を支えている骨が吸収され、歯がグラグラしてきます

歯周病とは、「歯肉炎」「歯周炎」の総称です。
歯肉炎とは?
歯肉(歯ぐき)のみに炎症が起きているもので、歯周病の初期段階です。健康な歯肉はうすいピンク色で引き締まっています。歯肉炎になると歯肉が赤く腫れ、歯磨き時に出血したりします。原因は歯垢です。歯垢の中には細菌(歯周病菌)がたくさんいて、その細菌が有害物質を出し、歯肉炎が起こります。

歯周炎とは?
歯肉炎が進行したものです。歯を支えている骨が吸収され、歯がグラグラしてきます。最終的には歯を支えきれなくなり、歯が抜け落ちてしまいます。歯を抜いてしまうと、もう自分の歯は二度と生えてきません。毎日の歯磨きで歯周病は予防できる?
毎日の歯磨きで歯周病は予防できる?
多くの患者さんから幾度となく、「毎日、歯磨きをしているのに、どうして歯槽膿漏(歯周病)になってしまったのですか?」ということを聞かれます。その答えの一つとして、歯周病(歯槽膿漏)が人から人へ移る感染症であるということです。感染症である以上、物理的な清掃(歯磨き)だけで感染予防をすることはできません。さらに、歯周病菌はバイオフィルムと呼ばれる強力なバリアで守られていますので、歯磨きだけでは、そのバリアを除去することが非常に困難です。

さらにさらに、歯の表面に長期間付着していた歯垢が、唾液中のカルシウムを吸着することによって歯石になります。歯石そのものは何も悪さをしないのですが、歯石が歯肉の溝(歯と歯肉の間には溝があり、歯肉の炎症が進行するほど溝が深くなります)にも付くことで、歯肉に対する刺激(歯肉の溝を押し広げようとする刺激)を与えます。また歯石には歯垢が極めて付着しやすく、新たに歯石に付着した歯垢の中にいる細菌(歯周病菌)の働きにより、歯肉の炎症をさらに進行させていくことになります。
歯石は歯磨きでは取り除くことが出来ません。
つまり、いくら歯磨きを毎日しっかりしたとしても歯周病予防には限界があると言うことです。ではどうすればいいのか?その答えは、定期的に歯科医院で歯垢・歯石・バイオフィルムを除去してもらうことです。歯科医院では専門の器具を用いることにより、これらを徹底的に除去することができます。
米国で次のような報告がありました。
歯周病治療を終了した患者さんを10年間にわたって追跡調査したところ、治療終了後に定期的に歯科医院にて歯垢・歯石・バイオフィルムを除去することを続けた人は、そうでない人と比べて歯を失う本数は4分の1で済んだことが分りました。3カ月~6カ月に1度のメインテナンスを受診されることをお勧めします。

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