2019年10月22日火曜日

歯周病は複合的な要因で発症し、主要な原因は歯垢(プラーク)です

歯周病は複合的な要因で発症し、主要な原因は歯垢(プラーク)です。(その他歯垢とは無縁で発症するものもあります。)主要な原因が歯垢で発症するので、歯垢の量に比例して進行すると思われますが、歯周病にはかなりの個人差があります。歯垢が多量に歯に付着しているのにも関わらず発症しにくい人もいれば、わずかな歯垢が残っているだけでも発症しやすい人もいます。これは、細菌の種類にもよりますが、歯周病という病気が歯垢の種類・量と身体の抵抗力とのバランスに関係しているからです。

歯をほとんど磨かない人、ササッと適当に磨いていても、何も歯には悩まされない人がいる反面、常に歯に気を配らなければならない人もいます。歯周病になりやすい人もいれば、なりにくい人もいます。抵抗力のある人はなかなか発症しませんが、油断は禁物です。抵抗力が低下した時に急速に進行する可能性があります。そのためにも現時点で自分は関係ないと思わず、口の中の環境を整えておくことをお勧めします
歯周病の治療
歯周病の治療は、患者さんの協力がなければ決して成り立ちません。
歯周病は特殊な場合を除いて、日常の生活習慣との関わりが深い疾患です。そのため、歯周病と向き合うには、先ず患者さんの治癒能力を引き出せるように環境作りの見直しからスタートします。そのためには患者さんの生活習慣に目を向け、見直しと同時にできるだけ生活習慣の中から改善策を探します。そして治癒能力を引き出すための知識と技術を提供し、実践できるようサポートします。その後、口の中の改善具合で状況に合わせた処置・治療のお手伝いをします。

「むし歯菌・歯周病菌の住みにくい環境をつくる」
第1に食生活の見直しです。現在何でも手軽に食べられる飽食の時代ですからつい忘れがちになりますが、最も大切なことです。むし歯菌もさることながら、歯周病菌も甘い砂糖類によって増殖します。そのため細菌のエサとなる食べ物・飲み物をコントロールすることが鍵となります。また、食べ物も大切ですが、食べ方も考えなければなりません。甘味が少なくても四六時中 口の中に入っているようであれば、環境は改善されません。食べ物・飲み物の中には意外と糖分が多く含まれています。食べてはいけないのではありません。考えて食べることが大切なのです。
第2に歯磨きです。歯磨きで大切なことは「磨いている」と「磨けている」の違いです。いつも一生懸命がんばって磨いていても、磨けていなければ効果がありません。歯垢を確実に、簡単に落とせる正しい歯磨きをマスターすることが大切です。徹底した歯磨き方法を習得して、良い環境を保ちたいものです。歯磨きよりも食を重要視した理由は、歯磨きを一生懸命行なっていても、それ以上に細菌を増殖させる要素が多くては、本来の改善が望みにくいからです。まずは病原菌を増やさない環境作りに目を向けていただきたいのです。 

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