2019年10月17日木曜日

軽度の歯周病の場合は、歯茎から上部分の歯石の除去と、適切なプラークコントロールで、完治することがほとんどです

PMTCとは、歯磨きでは落ちない歯の汚れや、細菌の巣(バイオフィルム)を機械を用いて取り除く歯のメンテナンスをいいます。
ご自身でのホームケアだけでは磨きのこしを完璧に防ぐことは困難です。また、一度歯に付着したタバコのヤニやステインなどは通常の歯磨きだけでは取り除くことができません。そこで、ラバーでできたカップやブラシなどを用いて、私たち歯科衛生士が磨きあげていきます。ツルツルに磨きあげることによって、汚れが再付着することも防いでくれます。

「プラークコントロール」とは、歯周病の原因となる歯垢(プラーク・細菌のかたまり)を「作らせない・留まらせない」ためのものです。歯科医院で定期的に歯垢や歯石の除去などを受けていても、日常、原因であるプラークだらけのお口のままでは再発を繰り返してしまいます。
「スケーリング」とは、「歯ぐきから見える部分(歯肉縁上)」の歯石や汚れを、超音波スケーラーという専用の器具などで器械的に除去することです。歯石は、軽石のようにたくさんの穴がある構造のため、汚れが停滞しやすく、歯周病菌増殖の温床となるため、除去が必要です。歯肉縁上の歯石を除去した後は、数週間おいて歯の周りの再検査を行い、歯周病の状態を確認します。

軽度の歯周病の場合は、歯茎から上部分の歯石の除去と、適切なプラークコントロールで、完治することがほとんどです。歯肉縁上の歯石を除去した後、歯の周りの再検査によって「歯茎より下の見えない部分(歯肉縁下)」の歯石がある場合は、「スケーリングおよびルートプレーニング(SRP)」を行います。
炎症により歯の周りの組織が破壊されて露出したセメント質は、粗造な構造で、プラークが入り込みやすい状態です。器具でセメント質を平らにすることで、プラークを付きにくくし、歯周病の進行を防ぎます。ルートプレーニングは、1週間に2回を目安に、数度にわけて行い、一定期間をおいてから再検査を行い、歯石や汚れの付着状態や症状の改善のチェックを行います。
再生療法は、エムドゲインゲルという薬剤(一般名はエナメルマトリックスデリバティブ)を、骨がなくなっている歯根の表面に塗ることで、骨が再生されるという治療法です。
このエムドゲインゲルは歯が形成される際に分泌されるたんぱく質 を主成分としています。そのため、歯周病によって骨が溶けてなくなってしまった部分にエムドゲインゲルを塗ることで、歯が発生する時の環境を再現し、歯根膜や歯槽骨などを作る細胞を呼び込んで、歯周組織の再生を促します。また歯肉が入り込むのを防ぐため、骨再生の場を作ることができるのです。

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