2019年10月22日火曜日

歯周病によって作り出されたサイトカイン(炎症物質)は、インスリンの働きを抑制する作用があり糖尿病を悪化させます

歯周病を放っておくと歯周病菌は口の中だけでなく、歯肉の毛細血管を通じて全身の各臓器へと広がります。つまり、歯周病は口の中だけの病気ではなく、全身の健康へも悪影響をおよぼす怖い病気なのです。以下では全身の悪影響のケースとして、肺、心臓、すい臓、子宮についてご説明します。

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
高齢者や抵抗力の落ちた方は、咳(せき)の反射が弱くなるため、口の中の細菌が気管に入っても体外へ出すことができず、肺に感染を起こします。ケースによっては重症の肺炎を引き起こすこともあります。口の中の衛生環境を清潔にすることが、有効な予防策です。
心筋梗塞・脳梗塞
歯周病菌は心臓の弁に付着しやすいのが特徴です。細菌が増殖するとやがて血栓が形成されます。血栓がはがれて全身に流れ、心臓の血栓を詰まらせて、心筋梗塞を引き起こすのです。同様に脳の血管を詰まってしまった場合は、脳梗塞になります。

子宮
早産
歯周病によって作り出されたプロスタグランジンE2(炎症物質)が胎児に影響し、早産や低体重児(※)出産に関係するといわれています。また、歯周病を持つ妊婦ではそうでない人に比べ、早産の可能性が7.5倍も高くなるといわれています。現に、低体重児出産の母親に歯周病の方が多いともいわれているのです。

すい臓
糖尿病
歯周病によって作り出されたサイトカイン(炎症物質)は、インスリンの働きを抑制する作用があり糖尿病を悪化させます。また糖尿病は、血管や神経を障害するため毛細血管がもろくなり、歯周病菌に対する防御力が低下するという悪循環を引き起こします。そのため歯周病は、ますます悪化してしまうのです。歯周病を治療することにより、血糖のコントロールが改善することがあります。
心臓・脳
細菌性心内膜炎
心臓の内側を覆っている心内膜に感染が起こると、細菌性心内膜炎を引き起こします。歯周病のある方の細菌性心内膜炎の発生率は、健康な方の1.52倍で、発症すると命の危険性のある怖い病気です。

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