2019年10月31日木曜日

「歯医者っていうのは痛くなったら行くもんだ」

歯は悪くなる前に予防が大切
「歯医者っていうのは痛くなったら行くもんだ」
「年を取ったら、歯は悪くなるのが当たり前だ」
「毎日、きちんと歯ブラシしていたら歯は悪くならないんでしょ?」

このようにおっしゃる方がたくさんいます。私は非常に悲しいです。
 何が悲しいかというと、歯が悪くなってから来ていただいても、治療することしかできないからです。治療するということは歯を削るということです。歯は削ったら二度と元には戻らない歯は削ったら、二度と元に戻らないってご存知でしたか?それに、虫歯で悪くなって痛くなった歯は元に戻らないってご存知でしたか?そんなの当たり前じゃん!と思われるかも知れません。
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しかし、人間の体で考えてみてください。
転んで擦り傷ができてもたいていの場合、ヨードチンキを塗っておけば治ります。
体は骨が折れても、ギブスをしておけば骨ができて治ります。しかし歯は他の体の組織と異なり、自浄作用(自分で良くなる能力)がないのです。ですから、悪くなったら、悪い部分を削り落として、人工の物で補うしかないのです。それは例えるなら、転んで擦り傷ができてしまったら、その部位を手術で取り除いて、人工の金属でできた皮膚などをつけるしかなかったらどうでしょう?考えただけでも、恐ろしいですよね。でも、歯にはそのようなことをしているのです。しかも、平気で。そうならないためには、常に悪くならないように気を使ってあげる、大切にしてあげることが欠かせないのです。

歯は治療すると治るの?
悪くなった部分を人工の物で補うと、デコボコができます。
人間の目には見えなくても、小さい細菌にとっては大きなデコボコです。
そこに細菌がたまりやすくなったり、デコボコのすき間から入り込んだりする原因を作ってしまうのです。

しかし、自分の歯であればそのようなデコボコはないので、細菌がたまりづらいのです。患者様は「治療すれば治る」と思っていらっしゃいますが、それは違います。それは先ほども言ったとおりですが、神経まで到達してしまった歯は神経がある歯に比べて、残存年数が飛躍的に短くなります。
というのは、神経がなくなるというのは木で言えば枯れ木と同じような状態になってしまうのです。そのようになっても、「噛む」「食べる」「しゃべる」などの基本的な機能を回復させることはできますが、耐久性が断然、悪くなってしまうのです。何か強い衝撃が加わったり、硬いものを噛んだ拍子に歯が割れてしまう、折れてしまうとしまうこともあるのです。ですから、悪くなってしまった歯を治すということはできないのです。「機能を回復させる」ということしかできないのです。

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