2019年10月10日木曜日

誤った歯の磨き方や不適切な歯ブラシは、症状を悪化させます

歯にピリッと感じたり、キーンと痛みが走ったりしますが、この痛みは一過性(持続しない)で痛みはすぐ無くなることも特徴です。虫歯でもないのに歯がしみて痛い、という症状の多くは知覚過敏と考えられます。知覚過敏は、正式には「象牙質知覚過敏症」と呼ばれます。 歯は、頭の部分はエナメル質という非常に硬い素材に覆われ、次に象牙質、そして神経(歯髄)が通っています。ところが根(歯根)の表面にはエナメル質がないため、歯根が歯ぐき(歯肉)から露出すると象牙質の象牙細管とよばれる無数の小さな穴に様々な刺激が直接伝わり、それが歯の神経まで届いてしみるのです。冷たいビールやアイス、かき氷、あるいは酸味の強いミカンなどを食べるとしみる、また、歯ブラシの毛先などの刺激に対しても過敏に反応したり、風が当たるだけで歯がしみたりする症状が出たら、それはまさに知覚過敏かもしれません。
軽症の場合
丁寧な歯磨き
誤った歯の磨き方や不適切な歯ブラシは、症状を悪化させます。まず、歯ブラシは毛先の軟らかめものに替え、露出した歯根の表面についたプラーク(歯垢)を丁寧に取り除くことから始めます。この時、決して力を入れてゴシゴシしないことです。歯根(象牙質)は歯の頭(エナメル質)に比べて柔らかいので、歯根を削ってしまう危険があります。やさしく、小さな動きで丁寧に磨きましょう。歯磨き剤は低研磨性のもの、あるいは研磨剤無配合の物を選んで歯根が削れる危険を避けましょう。(歯磨き剤をお使いにならなくてもけっこうです)歯磨き方法を改善するだけでしみなくなる場合もあります。歯科医院のアドバイスを受けながら歯を正しく磨きましょう。

症状が中程度の場合
歯根の表面をコーティング
知覚過敏防止用の歯磨き粉を使用して、正しく歯を磨いても治らない場合は、歯の根元のしみる部分に知覚過敏抑制剤の塗り薬でコーティングします。コーティングによって露出した歯根の表面に、一層膜をはって刺激を伝えにくくして症状を抑えます。これは長期間の耐久性はありませんが、丁寧に歯磨きしているうちに、象牙細管の穴がふさがってしみなくなることが期待できます。

重症の場合
歯根のくびれを埋める
露出した歯根の傷が比較的大きい場合や「くさび状欠損」がある場合は、欠けている部位に歯と同じ色をしたセメントやプラスチック(レジン=樹脂)で埋めて象牙細管を封鎖し、外部からの刺激を遮断する治療を行います。*「くさび状欠損」とは、歯の生え際のエナメル質とセメント質の境目辺りにくさびを打ち込んだように凹みができる欠損のことです。
歯の神経をとってしみなくする
さまざまな治療を行っても症状が全く改善しない場合、最後の手段として「神経を抜く」ことを選択するしかない場合もあります。ただ、歯の神経を抜くことによって、歯のしみ、痛みを感じないようになりますが、歯の変色(黒ずむ)や、歯がもろくなるなど、さまざまなマイナス面がありますので、歯の神経を抜くのは最終手段の治療として行われます。

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