2019年12月16日月曜日

歯の神経は、象牙質という歯質の中に入っています

歯の神経は、象牙質という歯質の中に入っています。その象牙質には象牙細管という象牙質表面と神経をつなぐ、目に見えないほどの細い管が存在しています。
したがって象牙質が露出すると象牙細管を通じて刺激(冷たいもの、風など)が神経に伝わり、しみるという症状をお越します。
これが知覚過敏です。
しかし本来は、歯の頭の部分の象牙質をエナメル質が、歯の根の部分の象牙質をセメント質・歯ぐきが覆っているので、このような症状は起きません。
ではどういった原因で象牙質が露出するかというと、
歯ぎしりや悪い噛み合わせによって、日常生活を営んでいるだけで過度な力が歯にかかり、エナメル質が削れていく。
歯周病の治療後に歯ぐきが下がる。
などといった理由が挙げられます。
虫歯によっても歯がしみるという症状があり、しみる原理は同じです。しかし虫歯は病気ですが、上の12は病気ではありません。つまり歯は特に病気ではないのに、しみるという症状が出てしまうということが知覚過敏です。
知覚過敏の処置
知覚過敏のメカニズムで述べたように、知覚過敏は病気ではありません。よって、「虫歯を削って詰めたら治る」ということとは違います。
ではどのように知覚過敏に対応していくのかというと、
Step1:歯磨きの改善
Step2:薬液の塗布
Step3:削れたところを詰める・マウスピースの装着・噛み合せの調整
Step4:神経を抜く
というものがあります。
Step1:歯磨きの改善
適切な歯磨きにより、象牙細管をふさぐ歯質ができることがあります。しかしこれで症状がなくなることはあまりありません。
Step2:薬液の塗布
象牙細管をふさぐお薬を塗ります。直接的な原因の除去にはならないため、1度で効果がないことや、23度で効果が出る場合もあります。
また、知覚過敏用の歯磨き粉にも象牙細管をふさぐ成分が含まれているものがあります。
Step3-1:削れたところを詰める
象牙質を覆うようにプラスチックを詰めることにより刺激を遮断します。
しかし、歯に無理な力がかかっている場合、詰めた内側からまた歯が削れても発見が遅れたり、ご自身の歯自体が折れてしまうこともあるなど、一時的に症状は消えたとしても残念ながら根本的な解決には至りません。
Step3-2:マウスピースの装着、噛み合せの調整
噛み合わせの力によって歯質が削れるのを防ぎます。
Step4:神経を抜く
神経を抜き、しみることそのものをなくします。
もちろんStep4は最後の手段で、Step13で効果がなく、患者様が日常生活で耐えられない程の苦痛を感じている時のみ行うこともありますが、そのようなことはほとんどありません。ただし、知覚過敏になる場合、加齢変化に伴うケース以外は噛み合せやブラキシズム(歯ぎしり)によることが多く、根本的解決には積極的な治療が必要になります。

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