2019年12月31日火曜日

歯周病の影響はお口の中だけに留まらず、心臓病や糖尿病などを悪化させる要因にもなります

痛みなどの自覚症状が少ない歯周病ですが、治療をせずに放置すると歯が揺れて噛めなくなり、最後には抜けてしまうこともある怖い病気です。歯周病は、歯ぐき(歯肉)だけでなく、骨(歯槽骨)や、歯と骨の間を繋ぐ歯根膜という線維等の組織まで壊していきます。30歳以上の多くの方が歯周病にかかっており、歯を失う原因の約半数とも言われています。

なぜ歯周病にかかるのか
歯周病の原因は、プラーク(歯垢)の中の細菌です。
歯ぐき(歯肉)と歯の間には1mmくらいのすき間(ポケット)がありますが、このポケットにプラークが溜まった状態でいると歯石となり、すき間を押し広げていきます。
これにより歯肉が炎症を起こし、放置していると症状はますます悪化して、やがては歯を支えている骨を溶かしていきます。プラークは歯みがきが充分でなかったり、砂糖を摂取することで増えるため、日々の生活習慣も歯周病を作り出す要因と言えます。

歯周病と全身疾患との関係
歯周病の影響はお口の中だけに留まらず、心臓病や糖尿病などを悪化させる要因にもなります。また、逆に全身疾患が歯周病の発病や悪化の原因となることもあります。毎日の食生活を含めた生活習慣を見直し、歯周病を予防することが全身の生活習慣病を予防することにつながります。

歯周病とタバコの関係
喫煙者は非喫煙者に比べ、ヤニなどでお口の中が不衛生になりがちです。
また喫煙により、歯周病のリスクが高まり、治療しても治りにくくなることが分かっています。
喫煙が口腔内に与える影響

・ニコチンの血管収縮作用
歯肉への血液の流れが悪くなり、酸素や栄養が欠乏します。また、老廃物の除去がうまくいかなくなります。

・歯肉の線維化
歯肉が硬くなるため出血などの症状が出にくくなります。症状が出ないため早期治療が遅
れる原因となります。
・白血球機能の抑制
細菌と戦う白血球の防御機能が抑制され、歯周病菌が繁殖しやすくなります。

・歯肉収縮機能の低下
ニコチンは傷を治す働きまで抑えてしまうので、手術後も治りにくくなります。

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