2019年12月19日木曜日

歯周病の直接の原因となる細菌は、誰の口の中にも存在し、口の中にある糖分を栄養として増えます

『歯周病』は細菌による感染症で、細菌の出す毒素によって歯肉や歯槽骨(歯を支える骨)などに炎症が起き、放置すると歯を失ってしまう恐ろしい病気です。歯周病は、炎症の進み具合によって大きく2つに分けられ、炎症が歯肉に限られているものを『歯肉炎』、歯槽骨にまで進んでいるものを『歯周炎』といいます。
歯周病は、痛みなどの自覚症状がないまま進むため、異変に気づいたときには重症ということも多く、日本では、30歳以上の方の約80%が発症しています。そして、歯を失う原因の第1位にもなっています。歯周病の発症・進行を防ぐためには、日ごろからしっかりと歯を磨き、歯科医院での定期検診を受け、メンテナンスを続けることが大切です。
歯周病の原因
歯周病の直接の原因となる細菌は、誰の口の中にも存在し、口の中にある糖分を栄養として増えます。それがひとつに集まって『歯垢』となり、歯の表面などにつきます。細菌は、その歯垢を温床として毒素を出します。歯垢は軟らかいので、歯磨きで落とすことができますが、歯磨きには限界があるので完全に落としきることはできません。
落としきれなかった歯垢が増えると、『バイオフィルム』という粘性のある膜状の物質になります。しかし、バイオフィルムは歯磨きでは落とせないので、歯の表面などに残ったままになります。バイオフィルムはやがて唾液の成分と結合し、『歯石』という白く硬いに物質なります。そうなると歯磨きでは落とせないので、歯科医院で落とす必要が出てきます。つまり、磨き残しが出ることで、細菌の温床となる物質がつくられて細菌が活性化し、それにより歯周病になるのです。

歯周病の進行
歯周病の進行具合は軽度、中等度、重度の3つに分けられます。
軽度
覚症状はありませんが、定期検診などで発見できた場合、正しい歯磨きを続けることで、健康な歯肉を取り戻すことができます。
中等度
自覚症状はほとんどありませんが、歯科医院で専用器具を使った歯石除去や、同じく歯周ポケットの奥の歯石除去・歯垢の再付着を防ぐ処置を行ない、正しい歯磨きを続けることで、歯を残せる可能性が高くなります。

重度
歯肉の腫れ・出血、歯の動揺、口臭などが悪化するので、ほとんどの方が症状に気づきます。歯肉を切開し、奥深くの汚れを落とす手術を行なう可能性が出てきます。



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